クライスラーは10月28日、ブラジル・サンパウロモーターショーで、新型ダッジ『TRAZO』(トラーゾ)を発表した。日産『ティーダラティオ』のOEMバージョンで、2009年年央から、南米諸国で販売される。
クライスラーと日産は2008年1月、OEM車の相互供給を軸とした事業提携で合意。日産はクライスラーに小型セダンのティーダラティオを納入。クライスラーは日産にピックアップトラックのダッジ『ラム』を、次期日産『タイタン』として供給することが決定していた。
トラーゾは南米市場向けのダッジブランドとして最近では初のセダン。日産製の1.8リットル直4エンジンはガソリンとエタノールの両燃料に対応するフレックス仕様として、南米の顧客の嗜好に合わせている。
外観はフロントグリルがラティオとは異なる専用デザイン。ブラックアウトしたグリルは、ダッジブランドのスポーティで若々しいキャラクターを反映させたものだ。グレー基調のインテリアは、ラティオよりもシンプルな印象だ。
トラッツォはブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイの4か国で2009年年央から販売開始。生産は北米向け日産ティーダ(現地名『ヴァーサ』)と同じ、日産のメキシコ工場で行われる。
価格は公表されていないが、ヴァーサの北米でのベース価格が1万2990ドル(約117万円)であることを考えると、これに近い戦略的プライスになりそうだ。
ショーで展示されたのは、ダッジのコーポレートカラーである鮮やかな赤をまとったモデル。日本のティーダラティオには未設定の色だ。トラーゾはこの赤のように、南米の顧客のハートをドキドキさせることができるだろうか!?