【アウディ A4 試乗】スタイリングとメカニズムの調和…萩原秀輝

試乗記 国産車
【アウディ A4 試乗】スタイリングとメカニズムの調和…萩原秀輝
【アウディ A4 試乗】スタイリングとメカニズムの調和…萩原秀輝 全 5 枚 拡大写真

『A4』のデザインが激変した。一言でいえば、スマートになったのだ。ボディサイズが大きくなり、伸びやかさが得られたことも一因になる。だが、主因は別にある。

ボディ全長に対するホイールベースの割合が、約60%に達していることを見逃してはならない。ちなみに、従来モデルの割合は約58%だがこの2%の差が大きい。ホイールベースが長くなったことで踏ん張り感が増した一方で、相対的にオーバーハングが短くなったので軽快感が表現できているのだ。

そもそも、ホイールベースが伸びたのはエンジンの搭載位置に対するフロントアクスルの位置を従来モデルと比べて154mm前寄りにする新設計のパワートレインを採用したからだ。当然、フロントアクスルを基準にすればエンジンの搭載位置が後退したことになるので、前後重量配分が改善される。結果的に、A4はクルマが自ら曲がりたがっているような小気味よいハンドリングを獲得しているのだ。

ただし、A4はFFが基本となるのでフロントの荷重を減らすとタイヤが路面に駆動力を伝えにくくなる。だが、そうはいってもフロントの荷重は2%ほど少なくなっているだけなので「1.8TFSI」の場合はまったく問題にはならない。「3.2FSI」は、クワトロを採用するので十分な駆動力の確保が可能なのだ。こうした、まさにデザインの美しさとメカニズムがもたらす機能が完ぺきに調和していることこそA4ならではの見所といえる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

萩原秀輝|モータージャーナリスト
在学中よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動、同時期からツーリングカーレースに参戦、優勝経験がある。「クルマの走り」と「ドライビングの理論」について深い洞察力を持つ。評価に当たっては「乗る人の利益を前提として、それがどう満たされているかを見出す」。メーカーが主催する安全運転教育の講師の経験も多い。

《萩原秀輝》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 水平対向8気筒エンジン搭載バイクは世界唯一、中国長城汽車の「SOUO」ブランドが発表
  2. 6年ぶりビッグネーム復活!? 新開発のV12エンジンが搭載されるフラッグシップGTとは
  3. トヨタ『シエンタ』対応の「車中泊キット」一般販売開始
  4. VWの小型ミニバン『キャディ』、改良新型を生産開始…5月末ドイツ発売へ
  5. BMWの新型車、ティザー…実車は5月24日発表へ
  6. MINI ハッチバック 新型の頂点「JCW」、今秋デビューへ…プロトタイプの写真を公開
  7. スズキ スーパーキャリイ 特別仕様は“For Your Work Buddy”…デザイナーの思いとは?
  8. 「トゥクトゥク通学」学生の問題意識から生まれたレンタルサービス、実証試験を開始
  9. BMWが14車種の新型車を発売へ…『X3』や『1シリーズ』に新型 2024年
  10. 【メルセデスベンツ EQA 新型試乗】“EQ感”がより増した、シリーズ最小モデル…島崎七生人
ランキングをもっと見る