ポルシェは20日、『カイエンSハイブリッド』の概要を明らかにした。フォルクスワーゲンと共同開発したパラレル式フルハイブリッドは、パワーと環境性能を高次元で両立。2010年に市販される。
ハイブリッドシステムは、フォルクスワーゲンが2日に発表した『トゥアレグ V6 TSIハイブリッド』用と共通。ガソリンエンジンは、アウディ『S4』用の3.0リットル直噴V6スーパーチャージャーで、最大出力は333ps、最大トルクは44.9kgm。モーターもパワフルで52psの最大出力と、30.6kgmの最大トルクを発生する。
エンジンとモーターのトータル出力は374ps、59.1kgmと非常に強力。その結果、0-100km/h加速は6.8秒と卓越したパフォーマンスを発揮する。これは、4.8リットルV8(385ps、51kgm)を積む「カイエンS」のティプトロニックS仕様の6.8秒と同じ加速性能だ。ポルシェは「約140km/hまで、モーターだけで加速できる性能を備える」と説明している。
環境性能の高さも特筆できるレベルにあり、燃費は欧州複合モードで11.1km/リットルを実現。CO2排出量も210g/km以下とベース車よりも20%以上低減させた。排出ガス性能は欧州のユーロ5と米国のULEV2基準に適合している。アイドリングストップ機能や回生ブレーキも装備。ポルシェは「V8と同等の走行性能でありながら、燃費は4気筒並み」と自信を見せる。
電気モーターやセカンドクラッチが収まるハイブリッドモジュールは、エンジンと8速ATの間にレイアウト。このモジュールは軽量コンパクトなのが特徴で、走行状況に応じてエンジンとモーターを制御する機能を持つ。また、定格電圧288V、240のセルで構成されるニッケル水素バッテリーは重さ70kg、大きさは約35×63×29cm。荷室フロア下に配置され、室内空間はいっさい犠牲にしていない。
市販時にはEVモードが採用され、バッテリー残量にもよるが、最大2kmまでモーター単独で走行できる。また、アクセルを深く踏み込めば、エンジンはわずか0.03秒という瞬時に再始動。また、8速ATの8速ギアは約140km/h以上の高速域で使われる設定で、巡航時にはエンジンを停止し、モーターだけで走行する。
外観の違いは最小限で、ボディサイドの専用デカールと、リアゲートのハイブリッドエンブレムが識別点となる。
カイエンSハイブリッドは2010年に発売予定。このシステムが、ポルシェ『パナメーラ』のハイブリッド仕様にも導入される。カイエンのハイブリッドは、米国がメイン市場となる見込みだ。
ポルシェ カイエン にハイブリッド…2010年発売
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《森脇稔》
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