インドのタタモータースは26日、新型『ナノ』の出荷を3月23日に開始すると正式発表した。4月第1週にはインド国内の販売店に並べられ、翌第2週から予約受付を開始するという。
タタの超低価格車、ナノは2008年1月のデリー自動車エキスポで初公開。価格は10万ルピー(約28万円)と公表され、世界一安い新車として一大センセーションを巻き起こした。
しかしその後、ウエストベンガル州に予定していた新工場建設が農民の猛反対で、計画を白紙撤回。ジャラート州サナンドに新工場用地を確保し、ようやくナノの生産にこぎつけた。
ナノは623ccの2気筒エンジンをリアに搭載。後輪を駆動する。ボディはハッチバック風の4ドアで、全長3100×全幅1500×全高1600mmとコンパクト。低価格を実現するため、エアコンやオーディオなどの快適装備やエアバッグやABSなどの安全装備はオプションとなる。
いよいよ正式発売されるナノだが、タタは現時点で価格を明らかにしていない。ナノを初披露した2008年1月と比較すると、世界的な金融危機や鋼材の値上がりなど、経済環境は悪化しており、10万ルピーで発売できるかは微妙。実際、タタのラタン・タタ会長も「10万ルピーはあくまで工場出荷価格」と発言していた。
正式価格は3月23日に発表予定。世界を驚かせる低価格が実現するか、注目される。