アウディは9日、新型「R15TDI」の概要を明らかにした。新開発V10TDIエンジン搭載。6月13-14日にフランスで開催されるルマン24時間耐久レースの最高峰、LMP1クラスに参戦する。
アウディは1999年、3.6リットルV8ツインターボ(625ps)を積む「R8」でルマンに参戦。2000 - 05年の6年間に、5度の勝利を手にした。2006年からはエンジンをディーゼルに変更。5.5リットルV12ツインターボディーゼル「TDI」(700ps)搭載の「R10TDI」を投入し、06 - 08年、3年連続でタイトルを獲得している。
R15TDIは、R10TDIの後継マシンとして開発された。R10のV12よりも小型軽量で、燃費やCO2排出量を削減したV10ターボディーゼルを搭載。排気量は公表されていないが、最大出力は600ps以上、最大トルクは107kgm以上というスペックだ。新たな試みとしてリチウムイオンバッテリーを導入。通常のバッテリーよりも軽量で高電圧というメリットを持たせた。
マシンのデザインも一新されており、F1マシンのようなフロントノーズや新デザインのリアウイングなどを装備し、空力性能がアップ。LEDヘッドランプが採用されているのも目を引く。
R15TDIは、3月21日に米国フロリダ州で行われるALMS(アメリカンルマンシリーズ)開幕戦、「セブリング12時間」でデビュー。同レースには「アウディスポーツチームヨースト」から2台のR15TDIが参戦する。
アウディは「エアロダイナミクス向上や新開発サスペンションの採用、ロングホイールベース化や軽量化などにより、R15TDIは大幅に走行性能を高めている」と自信たっぷり。ルマンの頂点も見えてきたようだ。