日産自動車は、アマゾンウェブサービスジャパンが主催する「AWS Summit Japan」に出展し、ソフトウェアディファインドビークル(SDV)の基盤となる「日産スケーラブルオープンプラットフォーム」を用いたSDVソフトウェア開発のデモンストレーションを公開した。
AWS Summit Japanは、6月25日から26日まで幕張メッセ(千葉市)で開催された。
◆タイムリーな機能アップデートや新機能の追加を実現
日産は、「モビリティの知能化で、毎日を新たな体験に」という長期ビジョンのもと、AIを中核とした「AIディファインドビークル(AIDV)」の実現をめざしている。
その開発基盤となる日産スケーラブルオープンプラットフォームは、車両ソフトウェアの要件定義から実装、ビルド、テスト、OTA(Over The Air)による車両への配信まで、開発の全工程を統合的に管理するSDV向けプラットフォームだ。
車両OSを含む車載システムと、クラウド上のデータ基盤を備えた開発環境で構成され、タイムリーな機能アップデートや新機能の追加を可能にする。また、データ基盤を活用して効率的にデータを収集し、AIの進化を加速させるほか、ソフトウェア開発にもAIを活用することで、さらなる開発スピードの向上をめざすとしている。
会場では、このプラットフォームに加え、AWSクラウド上のソフトウェア開発環境も紹介された。さらに新機能の開発からOTAによる配信までを実車でデモンストレーションし、本プラットフォームによる開発効率の向上と、多様なニーズに対応できる柔軟性を紹介した。

◆AIを核とした知能化、中核はAIDV
日産の技術戦略の中核となるのがAIDVだ。
AIDVは、AIドライブ技術とAIパートナー技術を組み合わせることで、移動そのものを進化させ、移動時間の価値向上をめざす。先進運転支援技術で培った知見を基盤に、高度な車両制御と安全技術を組み合わせたAI技術の開発を進めている。
日産は、AIドライブ技術を搭載するモデルを将来的にラインアップの約9割まで拡大する方針だ。2026年夏発売予定の『エルグランド』には、商品ライフサイクルの中で、2027年度末までにエンド・ツー・エンドの自動運転技術を実現する次世代プロパイロットを導入する計画としている。
いっぽう、AIパートナー技術は、移動中の体験価値向上を担う技術だ。車両とクラウド、各種サービスを連携し、情報提供や操作、ルート提案を最適化するほか、車内のAIエージェントがドライバーとの対話を通じて外部サービスやアプリケーションと連携し、新たな価値の提供をめざす。
●AIDVを支える3つの技術
AIDVは、AIを活用して車両の機能やサービスを継続的に進化させるという日産の考え方だ。長年培ってきた車両技術とAI技術を融合し、性能向上だけでなく、移動体験そのものを変革することをめざしている。
日産のAIDVを支える技術分野は
- AIドライブ技術
- AIパートナー技術
-SDVプラットフォーム
の3つで構成される。
「AIドライブ技術」は、車両が周囲の状況を認識し、予測・判断しながら走行する技術だ。エンド・ツー・エンドAIにより交通環境を統合的に理解し、一般道を含む幅広い走行環境で自然かつ安全な運転の実現をめざす。
「AIパートナー技術」は、ドライバーや同乗者の状況や意図を理解し、移動中の体験を支援する技術だ。車両、クラウド、各種サービスを連携し、より利便性の高い移動体験を提供する。
「SDVプラットフォーム」は、AIドライブ技術とAIパートナー技術を支えるソフトウェア基盤だ。ソフトウェア更新やデータ連携を通じて、車両の継続的な機能拡張と進化を可能にする。今回のデモンストレーションでは、このプラットフォームを活用したソフトウェア開発からOTA配信までの一連の流れが紹介された。




