富士通テンは、世界初となる前側方ミリ波レーダがトヨタ自動車の新型『クラウンマジェスタ』の前側方プリクラッシュセーフティシステムに採用されたと発表した。
これまで、富士通テンが自動車会社向けに開発・納入してきた前・後方用のミリ波レーダは、車間距離の制御、衝突・追突被害の軽減などを図るシステムに活用されてきた。
今回開発した前側方ミリ波レーダは、死亡・重傷事故の28%を占める出合い頭事故の被害を軽減するシステムの開発が可能となるもの。
車両前方下部の左右斜め方向に向けてレーダを搭載し、従来の前後方向の動きだけでなく、斜めや真横など様々な方向へ移動するターゲットを捕捉するアルゴリズムを実現した。ハードウエアは従来の後方レーダをベースに開発した。検知角度の広角化やシステム変更に対応するため、比較的簡素な測角方式(モノパルス方式)はそのままにアルゴリズムを高度化することで短期間で開発した。
今後は全方位検知や、普及車種の拡大に向け、低コスト化、広角化に向け開発を進める方針だ。