1917年 にアメリカから輸入された電気自動車「デトロイト号」が、運転可能な電気自動車として復活した。その形から「シルクハットの自動車」として京都市民に親しまれていたという。
このデトロイト号は、ジーエス・ユアサコーポレーションの創業者のひとり、島津源蔵氏(日本電池初代社長)が、1917年にアメリカから輸入したもので、自社製の鉛電池を積んで通勤や社用車として、日本電池の社長を退任する1946年まで約30年間愛用した。
その後、1981年より同社京都本社ロビーに展示されていたが、社内の「デトロイト号をもう一度走らせよう」との声に、2008年夏に「デトロイト号復活プロジェクト」がスタート。
プロジェクトでは、当時の走りや品格を損なうことなく再現させることを修復方針に掲げ、足回りの補強、鉛電池やモーターの新調、屋根の張り替えなどの作業がおこなわれ、運転可能な電気自動車として復活した。
復活したデトロイト号は再び京都本社で展示され、文化事業や電気自動車の普及・推進を目的としたイベントなどで活用される。また、復活までの奇跡は、同社のウェブサイトでみることができる。