サターン売却が白紙に…GMとペンスキー、交渉決裂

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GMとペンスキーオートモーティブグループは9月30日、「サターン」ブランドの売却交渉が決裂したことを明らかにした。今年6月5日、両社はサターンブランドの売却に関する暫定合意を締結していたが、今回の交渉決裂により、サターンブランドの廃止が濃厚になった。

ロジャー・ペンスキー氏が代表を務めるペンスキーオートモーティブグループは、米国で2番目に大きいディーラーネットワーク。その取り扱いブランドは16に及び、全米約300拠点に販売網を構築している。2006年6月には、ダイムラーと「スマート」ブランドの米国ディストリビューター契約を締結。08年1月にスマート『フォーツー』を米国に初上陸させ、顧客の小型車&エコ志向に乗ってヒットさせたのが記憶に新しい。

また、ペンスキー氏はペンスキーレーシングチームの代表でもあり、同チームはインディ500で最多勝記録を保持している。まさに、ペンスキーオートモーティブグループは、アメリカンドリームの象徴のような企業だ。

今回、交渉が決裂した理由について、ペンスキーオートモーティブグループは「10年末以降、サターン車の供給を受けるメドが立たなくなったため」と説明している。

今年6月のGMとペンスキーの暫定合意の内容は、サターンの不採算モデルを整理したうえで、GMが2010年末まで、『オーラ』『ビュー』『アウトルック』の3車種をペンスキーに供給するというものだった。しかし、それ以降の販売車種に関しては決定しておらず、ペンスキーは韓国のルノーサムスンなどと、車両供給を巡って交渉していたとされる。しかし、この交渉はまとまらず、ペンスキーは窮地に追い込まれた。

交渉決裂を受けて、GMのフリッツ・ヘンダーソンCEOは、「ペンスキーオートモーティブグループの決断には、大変失望している」との声明を出している。

両社の交渉決裂により、GMはサターンブランドを廃止する見込み。当面は全米350以上のサターンディーラーで販売活動を続行し、販売店閉鎖後は、他のGMディーラーで顧客のメンテナンスを引き継ぐ方針だ。今年6月の「サターンが約20年間続けてきた顧客重視の姿勢を受け継ぎ、さらに強固なブランドに発展させる」とのロジャー・ペンスキー氏の決意表明が、空しく響く。

《森脇稔》

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