【トヨタ SAI 発表】目指したのは新世代の高級車

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SAI
SAI 全 12 枚 拡大写真

トヨタの新型ハイブリッド専用車『SAI』。同じハイブリッド専用車の『プリウス』に比べて大きな2.4リットルエンジンと大型の電気モーター、バッテリーを搭載。車体も寸法こそひとまわり大きいだけだが、車体は200kg以上重く、プリウスより2クラスくらい上という印象だ。

詳細画像12枚:SAI&レクサスHS250h

そのSAIが目指したのは“小さな高級車”であったという。チーフエンジニアの加藤亨氏は、90年代に小さな高級車『プログレ』を手がけた人物。その加藤氏は、SAIで新しい時代の高級車像の提案を試みたと語る。

「高級車といえば、威圧的なグリルを持ち、内装もスイッチ類が多数装備されたような、重厚なイメージがまず思い浮かびます。私はSAIで、それとは異なる価値観を示そうと考えました。エクステリアはグリルも小さく柔らかなイメージを持たせました」

雰囲気が旧来の高級車のイメージと異なるのは、インテリアも同様だ。一般的には分厚く仕立てられることの多いフロントシートの背もたれ部分は、裏面が大きくえぐられるような薄型形状で、リアシートの足元空間の余裕を増やしている。

「高級車作りのセオリーとは反対なのですが、スイッチ類をできるだけ減らしたのも独特だと思います。カーナビの地図の縮尺変更など必要なものだけをボタン操作し、あとはリモートタッチや音声認識によるコマンド入力などで行うようにしたんです」

たとえばエアコンの温度設定も、口で「にじゅうごど」と言えば25度に、また「あたたかく」と言えばプラス2度、「すこしあたたかく」と言えばプラス1度と、すべて音声でコントロールできるという。試乗時、筆者は新インターフェースのことをまったく知らず、エアコンの操作の困難さに面食らった。が、コマンドを一度覚えてしまえば混乱はないだろう。

同じボディ、エンジンを使いながら、高級車は威圧的なものだと考える保守的なユーザーにフォーカスしたレクサス『HS250h』が別にあるからこそできた冒険とも言えるが、確かにSAIは旧来の高級車とも、またアメリカ市場のファミリーカー『カムリハイブリッド』とも違うモダン&シンプルな雰囲気を持っている。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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