ランチア消滅、2011年からクライスラーブランドに?

自動車 ビジネス 企業動向
2007年に制定された新エンブレム
2007年に制定された新エンブレム 全 8 枚 拡大写真
フィアットグループが2011年から欧州の主要市場で「ランチア」ブランドを廃止する可能性が浮上した。イタリアの経済紙『ミラノ・フィナンツァ』が4日、関係者の話として報じたもの。

それによると既存のランチア車は、今年6月にフィアットが正式提携したクライスラーグループの「クライスラー」ブランドで販売される見込みだ。

ランチアとクライスラー両ブランドを巡っては、すでにフィアットグループのセルジオ・マルキオンネCEOが、両ブランドをグループ内の同部門で扱うことを示唆していた。それに伴い、傘下のランチア・オートモビルズのオリヴィエ・フランソワCEOを、クライスラー・ブランドの責任者にも任命していた。

ランチアは1906年、僅か25歳でフィアットから独立したヴィンチェンツォ・ランチア(1881 - 1937年)が設立した自動車工場に遡る。戦後は高品質な自動車造りで知られたが経営的に安定せず、1956年に経営は建材業のペゼンティ家に委ねられ、やがて1969年にはフィアットによって買収された。

もし今回の報道どおりになれば、欧州におけるランチアは、105年でそのブランドの歴史を閉じることになる。欧州地域以外でのランチア・ブランドの扱いについては、現在のところ不明である。

1960年代にランチア車に乗っていたという60代のイタリア人男性は、筆者のインタビューに対し、「昔、ランチアのオーナーは、大衆車であるフィアットのユーザーとは違う、ワンクラス上の人として見られたもの。しかし近年のランチアは、事実上フィアットと同じで、興味が薄かった」と語った。

また、「育った家に『フルヴィア』、『フラヴィア』といったランチア車があった」という60代のイタリア人女性は、「他の分野で起きているのと同様、またひとつイタリアの優秀なブランドが消えてゆくのは残念」と話した。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
  3. 「動画を観る」もっとも良い方法とは? トヨタ車純正ディスプレイオーディオ搭載車の場合は?[車内エンタメ最新事情]
  4. メルセデスベンツ『Cクラス』次期型を予告、光る大型グリル採用…初のEVも設定へ
  5. 「妄想が現実になった」トヨタがAE86のエンジン部品を発売へ…「復刻だけじゃない」その内容に驚きの声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る