ポルシェ、ハイブリッド 911 で耐久レース参戦

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911GT3 Rハイブリッド
911GT3 Rハイブリッド 全 6 枚 拡大写真

ポルシェは11日、『911GT3 Rハイブリッド』の概要を明らかにした。レース専用車の『911GT3 R』をベースにハイブリッド化したモデルで、5月中旬にドイツで開催される「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」に実戦投入される。

ポルシェは昨年11月、『911』のレース仕様、911GT3 Rを発表。同車は、FIA(国際自動車連盟)のGT3レギュレーションを満たし、2010年の各種モータースポーツへの参戦を可能にするレース専用車だ。エンジンは、排気量を200cc引き上げた4.0リットル水平対向6気筒で、最大出力は480psを発生。トランスミッションは6速シーケンシャルのドグミッションで、車両重量は1200kgに抑えられる。

角度調整式大型リアウイング、ディフューザー、ワイドフェンダー、ザックス製の車高調整式サスペンション、サブフレームに固定されたリアサスなど、数々の専用装備を採用。ポルシェモータースポーツ部門のバイザッハ開発センターにおいてハンドメイド生産され、価格は27万9000ユーロ(約3430万円)からだ。

ポルシェは、この911GT3 Rをハイブリッド化。リアに置かれる4.0リットル水平対向6気筒エンジン(480ps)はそのままに、フロントアクスルに2個のモーターを追加した。それぞれが81.5ps、合計163psのエクストラパワーを稼ぎ、エンジンが後輪、モーターが前輪を駆動する4WDとなる。

トヨタ『プリウス』など、市販のハイブリッド車と異なるのは、バッテリー(2次電池)を搭載しない点だ。2次電池の代わりに、電気式の「フライホイールジェネレーター」を助手席部分にレイアウト。これは減速時にモーターが回生ブレーキの役割を果たし、フライホイールジェネレーターを最大4万rpmまで回して、電力を蓄えるシステムだ。この電力は、追い越し等の加速が必要な時にモーターへ供給され、エンジンをアシストする。

このフライホイールジェネレーターは、F1ウイリアムズチームの関連会社が開発。軽量なコンポジット素材で作られており、F1マシンの「KERS」(キネティック・エナジー・リカバリー・システム)のノウハウも応用された。911GT3 Rハイブリッドのドライバーは、ステアリングホイールのスイッチ操作によって、6 - 8秒間、フライホイールジェネレーターの電力をモーターへ送ることができる。

ポルシェは、この911GT3 Rハイブリッドで、5月15 - 16日、ドイツで開催される「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」に参戦。ポルシェは、「燃費が向上し、ピットストップ回数を減らせる」と、そのメリットを強調する。

ポルシェの市販ハイブリッド第1号車は、『カイエン』『パナメーラ』に用意され、今年デビューする見込み。市販ハイブリッドが重いバッテリー(2次電池)を積むことを考えると、軽量なフライホイールジェネレーターを採用した911GT3 Rハイブリッドは、レースに勝つためのハイブリッドといえそうだ。

《森脇稔》

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