【三菱ふそう スーパーグレート 新型】3つの最新安全装置

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スーパーグレート
スーパーグレート 全 12 枚 拡大写真

三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)の新型トラック『スーパーグレート』。開発のテーマは「環境性能」と「経済性能」、「安全性能」の3つ。

4月22日に行なわれた記者発表会で、MFTBC開発本部 アドバンスエンジニアリング部マネージャー(安全技術担当)の山本恵一氏に話を伺った。

スーパーグレートに搭載されている安全装置は、「MDAS-III」と「AMB」、「ESP」の3つ。「MDAS-III(エムダス スリー)」は、車内のダッシュボードに装着されたCCDカメラとハンドルの操舵量、ウインカー、シフト、ブレーキなどのスイッチ類を測定し、車両が安全に走行しているかを測るシステム。主に居眠り運転防止に役立てることが可能。

「MDAS-III」は走行開始後、約15分でドライバーの癖を判断し、運転が正しく行なわれているかをチェックし続ける。コンピューターが危険運転を察知すると、「注意力低下警報」や「車線逸脱警報」を発動する。警報はパネル内に表示されるグラフィックと警告音でドライバーに知らせる。車線をはみ出した場合は、はみ出した方向から音が鳴るので、ドライバーは直感的に軌道修正を行なえる。

「トラックの事故は、居眠り運転で発生するケースが多い。隠れた事故もあるので正確な数字はわかりませんが、かなり多いと思います。それに、ドライバーが亡くなってしまう場合も多いです」と、安全技術担当・山本氏は居眠り運転の危険性について語る。

そのような事故を少しでも減らすために、同社は1996年から「MDAS」の開発を続けている。現在のバージョン3では、注意力の測定にかかる時間が15秒になった。前バージョンは60秒だったので、大幅な進化と言える。

ふたつめの安全装置「AMB」は、衝突しそうになった場合に自動的に車速を落としてくれるシステム。車両前方につけられたミリ波レーダーを使い、前方車両との車間距離を測定し続ける。国土交通省の技術指針に基づいた危険な距離に接近すると、速度を落として衝突被害を軽減させるものだ。

山本氏によると、このミリ波レーダーは金属に反応するために、通常は自動車にしか反応しないと言う。しかし、人間や自転車にも多少は反応するそうだ。今後の進化が期待できるシステムだろう。

最後の「ESP」は、車両挙動安全装置のこと。旋回時に横転しそうになると、自動的に後輪にブレーキをかけて横転事故を防ぐ技術だ。ESPには車体のロールを検知するセンサーが使われており、外側や内側のタイヤにだけブレーキをかけて、横転やジャックナイフ現象を事前に防ぐ。

スーパーグレートのモデルチェンジでは新型エンジン「6R10」搭載が注目されているが、これに負けないくらいハイテクな安全装置を装備している。MFTBCの「本気」が伺えるトラックだ。

《佐藤隆博》

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