「V12生き残りのカギはHV」フェラーリCEO

エコカー ハイブリッド
599のハイブリッド実験車 HY-KERS
599のハイブリッド実験車 HY-KERS 全 8 枚 拡大写真
環境対応はスーパーカーメーカーのフェラーリにとっても避けられない課題。このほどフェラーリのアメデオ・フェリーサCEOは、メディアの取材の中で、V型12気筒ガソリンエンジンの生き残り策について語った。

すでにアメデオ・フェリーサCEOは、2012年に発売予定の『エンツォ・スペシャルシリーズ』(仮称)に関して、「パワーユニットは直噴V8ツインターボとする」と宣言している。フェラーリのフラッグシップといえば、V12エンジン搭載が当たり前だったため、環境に配慮したダウンサイジングは話題となった。

となると、フェラーリはV12エンジンを廃止するのか、と思ってしまうわけだが、アメデオ・フェリーサCEOは「V12エンジンは、ハイブリッド化によって生き残らせる」と、メディアの取材の中で明かした。

そこで思い出されるのが、今年3月のジュネーブモーターショーにフェラーリが出品したコンセプトカー、『HY-KERS』だ。同車は『599GTBフィオラノ』(日本名:『599』)をベースにしたハイブリッド実験車である。フロントに6.0リットルV型12気筒ガソリンエンジン(620ps、62kgm)、リアにモーターと7速デュアルクラッチF1トランスミッションをレイアウト。小型軽量なモーターは、最大出力100ps以上を発生し、エンジンとのトータル出力は、720ps以上に達する。

エンジンとモーターの出力は、7速デュアルクラッチF1トランスミッションによって制御。HY-KERSはモーター単独、エンジン単独、エンジン+モーターの3つの走行モードを備える。2次電池はリチウムイオンバッテリーで、車体中央フロア下に配置。減速時には、モーターがジェネレーターを回して、発生した電力をバッテリーに蓄える回生ブレーキを採用する。この回生ブレーキには2009年のF1マシン、『F60』に導入された「KERS」(キネティック・エナジー・リカバリー・システム)のノウハウが応用されている。

アメデオ・フェリーサCEOの今回の発言からは、フェラーリが米国の燃費規制や欧州のCO2排出量規制の面で不利なV12エンジンを、ハイブリッド化によって生き残らせようとしていることがわかる。直噴V8ツインターボとV12ハイブリッドが、フェラーリの次世代フラッグシップユニットと見てよさそうだ。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. フェラーリ『テスタロッサ』復活、新世代電動スーパーカーは1050馬力
  2. レクサス『IS』改良新型、表情一新…2026年発売へ
  3. AE86レビン・トレノ、エンジン部品を復刻生産へ…トヨタGRヘリテージパーツプロジェクト
  4. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
  5. マツダ『CX-90』、3.3ターボSに「プレミアムスポーツ」新設定…米2026年型
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る