【日産 リーフ プロトタイプ 試乗】スポーティカーとしての可能性…青山尚暉

試乗記 国産車
リーフ プロトタイプ
リーフ プロトタイプ 全 4 枚 拡大写真

今年12月にまずは日欧米で発売される日産の電気自動車、『リーフ』のプロトタイプにちょい乗りした。エクステリアや5人乗りのインテリアは“This is EV”とは言うには無難すぎるデザインだ。しかしさすがにボディ細部は空力にこだわりアリで、メーター&シフター回りは未来感たっぷり。

トランクはバッテリー床下配置の恩恵で十分な容量を備え、かなり実用的なクルマでもある。ガソリン車とは別世界ながら違和感薄い運転感覚(とくにブレーキ)、強力なモータートルクと空力性能によって140km/h以上まで引っ張ってくれる新幹線的連続加速感、異次元の静粛性など、実用性と先進感のバランス、リアルカーとしての商品力はなかなかのものと思わせてくれた。

しかしボクを感動させたのはもっと別のところだった。まずは高度なITシステムとの連携。ドライブサポートはもちろん、パソコンや携帯電話の操作で深夜電力で充電するためのタイマー充電が可能だったり、あらかじめエアコンをONにしてくれたりするから超便利。後者は一見、非エコのようにも思えるが、実は走行開始後の使用電力節減に効く。

そしてもっとも印象深かったのが、リーフの場合、重量物のラミネート式リチウムイオンバッテリーがバネ下、車体中央にあるため重心が極めて低く、ゆえに乗り心地面で有利で、また運動性能にも大きなメリットをもたらすという当たり前の事実。アクセルペダル(スイッチ)は微妙なコントロールが可能で、モーターは最大トルクを一瞬にして発揮するから(3リットル並みの加速力を持つ)、アクセルで姿勢変化をコントロールするようなドライビングスタイルも得意だったりするのである。

つまり、EVはCO2排出量ゼロカーとしてだけじゃなく、走って楽しいスポーティなクルマとしても成立しやすい、限りない可能性を秘めているということ(テスラはすでに実現してます)。リーフの走行感覚は、ボクにそんな期待を抱かせてくれたのだった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
東京都出身。自動車専門誌編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌、一般誌、ウェブサイトなどに寄稿。試乗記、購入ガイドなどの執筆のほか、コンパニオンアニマルとしての愛犬と楽しむ快適自動車生活を各方面で提言中。

《青山尚暉》

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