カー用品ディーラー激戦区の「イナイチ」沿いで支持されるには

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大阪府茨木市、箕面市、伊丹市、西宮市などのベッドタウンを結ぶ幹線道路、国道171号線。特に箕面周辺は大阪都心から新御堂筋を北上した所にあたり、道路沿いには大手チェーン店や自動車ディーラーがところ狭しと並ぶ。この激戦区で、輸入車や国産高級車に乗るユーザーの支持を広げているタイヤ&ホイール専門店を取材した。地域ならではの販売戦略と顧客動向について、店舗マネージャーに聞いた。

◆2005年に関西第一号店としてオープン

全国に販売網を拡大しているフジ・コーポレーションが関西第一号店として2005年3月にオープンしたのが「スペシャルブランド 大阪箕面店」だ。

同店が位置するのは、地元では「イナイチ」と呼ばれる国道171号線沿い。この街道は京都と神戸を結びながら、茨木市、箕面市、伊丹市、西宮市などのベッドタウンを結ぶ幹線道路だ。特に箕面周辺は大阪都心から新御堂筋を北上した所にあたり、道路沿いには大手チェーン店や自動車ディーラーがところ狭しと並ぶ。また大阪と言えば商売人の街でもあり、そこへの出店は同社にとっても大きなチャレンジとなった。

その点を山本マネージャーは「やはり開店当初、関東出身のスタッフは戸惑ったようです」と打ち明ける。戸惑ったというのは他でもない、関西独特の“値引き交渉”だ。関西人にとっては挨拶のようなもので、関西に長く住む山本マネージャーにとっても勝手知ったることだが、低価格のワンプライスが売りであるフジコーポレーションでは基本的に値引きはなし。だがこれが逆に、説明をすれば納得してもらえる、という経験につながり、結果的に大きな自信にもなった。

むしろ大阪箕面店のオープン後、山本マネージャーが実感したのは、同社の進出を歓迎する地元ユーザーの支持だったという。それまであった他社の量販店はクルマ好きではない一般層が主な対象で、店頭在庫も低価格商品がほとんど。タイヤ&ホイールへの専門知識についても物足りなさがあった。

「うちはホイールなら約1000種類と店頭在庫が豊富で、その中から好みのタイプを選んでお客様のクルマの横に置く“リアルフィッティング”も可能です。そして在庫があれば取付も早く、お待ちいただく時間も最小限で済みます」。高品質ホイール&タイヤをライバル店より確実に安い価格で販売し、取付まで迅速に行う体制は、せっかちな関西人にも評価されているようだ。

◆BMWなどのドイツ車から、アルファロメオなどのラテン車まで

最近の販売傾向についてはどうだろうか。

「全国のスペシャルブランド店で、ある程度共通しますが、最近はBMWやアウディが多いですね。特にBMWではBBSなどの軽量鍛造ホイールが人気です。また最近のBMW車はランフラットタイヤが標準ですが、リプレイス時には一般のタイヤに変更してパンク修理キットを積む場合が多いですね」

そう山本マネージャーが話す間にも、ピットには新型5シリーズ(F10型)が入庫し、タイヤ&ホイールの交換が始まった。

一方、その山本マネージャーも意外だったというのが、いわゆるラテン車の多さだ。

「関西にもこんなにアルファロメオやプジョーに乗っている人がいるんだ(笑)と最初は驚いたのですが、実際には店のすぐ近くにアルファロメオやフィアットの正規店がありますし、171号線を東に走ればルノー、新御堂筋にはシトロエン、名神高速の茨木インター近くにはプジョーの正規ディーラーもあります。こうしたラテン車にも対応できるタイヤ&ホイール専門店が求められていた、ということですね」

もちろん輸入車だけでなく国産車、特にアルファードやヴェルファイアといったミニバン向け商品も同店の柱だ。人気は19インチで、価格が手ごろな2ピースタイプ。タイヤとセットで20万円台前半の商品が主力だという。

◆ハイブリッド車用軽量ホイールやエコタイヤが人気

最近のエコカーブームでプリウスなどのハイブリッド車も急速に増えており、この業界でもハイブリッド車用の商品が人気だ。箕面店でもプリウス用をうたったBBSの鍛造軽量ホイールをはじめ、最近はエンケイやレイズといった国産メーカーのハイブリッド車用ホイールが売れているという。

またドレスアップ用途ではレイズとコラボレーション開発した「マキナイゾッタ パスクア」が人気とのこと。価格な手頃とエレガントなデザインが受けているという。

タイヤに関しても転がり抵抗の少ない“エコタイヤ”が増えている。サイズが豊富なヨコハマの「DNA アースワン(Earth-1)」やダンロップの「エナセーブ EC202」あたりが多く、次いで価格はやや高めとなるがブリヂストンの「エコピア」が売れ筋だという。

箕面店をはじめとする各店舗では、タイヤコーナーの一角に、各社の同サイズタイヤを触り比べ・持ち比べできるコーナーを設置。国産タイヤだけでなく、リーズナブルなアジアンタイヤ、あるいは欧州ブランドの輸入タイヤなども多数展示しており、それらの多くは実物を手にとって比較できるのだ。実際に持ち上げてみると、ゴムの硬さや重さが銘柄によって大きく変わってくる。

タイヤ選びに悩んでるユーザーは、店舗を訪れた際には手にとって持ち比べてみるのもいいだろう。

◆女性だけでも気軽に寄れるお店に

同店で印象的だったのが、美しい商品ディスプレイや吹き抜けのある店内スペース、そして広々とした駐車場や、その周囲に配された木々や芝生といった緑の多さだ。敷地の限られる幹線道路沿いにあって「スペシャルブランド大阪箕面店」には家族や友人と一緒に気軽に寄れそうな、ゆったりした雰囲気がある。

「これからは女性の方にも気軽に寄っていただけるお店になりたいですね」と山本マネージャー。女性にもちょっとした足もとのドレスアップやイメージチェンジを楽しんでもらいたい。そんな思いを可能にするだけの“店力”が大阪箕面店には十分に感じられた。

フジ・コーポレーション スペシャルブランド 大阪箕面店
住所 〒562-0004 大阪府箕面市牧落5-1-18
TEL  072-725-0262
営業時間 
平日 AM10:30〜PM7:30
土曜・祝前日  AM10:00〜PM8:00
日曜・祝日 AM10:00〜PM7:00
店舗URL
http://www.fujicorporation.com/shop/osaka_minoh.html
(上記ウェブサイトで店舗チラシがダウンロード可能)

《丹羽圭@DAYS》

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