【e燃費チャレンジ 2010】トップ3を独占したのは…

エコカー ハイブリッド
プリウス
プリウス 全 12 枚 拡大写真

基準タイムを設けてハイスピードから低速走行まで

第1回開催となる今回は、卓越した燃費性能で人気を博している販売中のコンパクトハイブリッドカー(トヨタ『プリウス』、ホンダ『インサイト』『CR-Z』)をいかに少ないガソリンで走らせるかがテーマ。車種別走行ではなく、複数のモデルが混走する形でサーキットコースを2周し、オンボードコンピュータに表示された平均燃費の値で判定する。

[24日、袖ヶ浦フォレストレースウェイで行われたe燃費チャレンジ]

モデルによって燃費特性がどう違うか、また同じモデルでもドライバーの走り方によって燃費がどう変わるかなど、多くのユーザーの関心事が数字となって表れるだけに、開始前から主催者も参加者も結果に興味津々だ。

ただ、純粋に燃費を限界まで伸ばすという競争ではつまらない。せっかくサーキットを走るのである。e燃費チャレンジではレギュレーションにちょっとした工夫を盛りこんでいる。車種別のハンディはプリウスのEVモードは使用不可ということのみ。乗車人数、エアコンの使用も自由なのだが、重要なポイントとして、サーキット2ラップで7分という基準タイムを設けた。

この時間制限、やってみるとなかなかエキサイティングだ。チェッカーまでの時間が7分±10秒まではペナルティゼロだが、誤差10秒を超えると燃費1km/リットルのペナルティが課される。かりに省燃費にこだわりすぎて32秒遅着すれば、リッター3kmも減算されてしまうのである。といって、7分に間に合わせようと後半急げば、これも燃費悪化は免れない。

走行前のオリエンテーションでは、自動車評論家でレースにも参加する萩原秀輝氏が、「ステアリングを切る量が増えると、走行抵抗が増えて燃費は落ちる。なるべくステアリングを切らなくてすむライン取りが大事」と、走行上のアドバイス。またエコランに精通した自動車評論家、竹岡圭氏もクルマのエネルギーを失わないようにと語った。

◆トップ3はプリウスが独占

エコランアタックは、5台1組で行われた。“よーいドン”でスタートするのではなく、20秒間隔で1台ずつスタート。他のアタッカーのドライビングに気を取られることなく、心置きなく自分のエコラン戦略を組み立てられるのだ。総合結果は次の通り。

1位 『プリウス』 矢野勝さん 31.7km/リットル
2位 『プリウス』 岩城英聖さん 27.2km/リットル
3位 『プリウス』 安西稔さん 23.7km/リットル
4位 『インサイト』 吉廣良介さん 23.3km/リットル
5位 『インサイト』 石崎博之さん 22.1km/リットル

このように、トップ3はプリウスが独占。35度を超える猛暑に加えEVモード使用禁止にしてのこの結果はかなりの好記録と言えよう。

サーキットコースにおける燃費アタックでは、ちょっとした加減速や慣性の使い方、広いコース幅を有効に活用したコーナリングのスムーズさ、またインサイトではバルブ休止機構、プリウスではモーターのみによる走行を積極的に使えるかといったドライビング技術が燃費を大きく左右する。

30km/リットル越えの燃費をたたき出した1位の矢野さんは、なんと2人乗車でこの数字を達成。「ペナルティを取られないよう、助手席に妻を乗せて時間を計測してもらい、アベレージスピードを維持しました。あとは萩原さんがおっしゃっていたように、コース幅をめいっぱい使ってスムーズにコーナリングすることで走行抵抗を減らし、ブレーキ回生の効果を最大限狙ったことが良かったのかもしれません」とコメント。

上位の2人は3位以下に3km/リットル以上の大差を付けており、ドライバーがエンジンに負担をかけずに加速、エネルギー回生などを行うTHSの特性を活かした走行に卓越していたことが大きかったようだ。3位以下は僅差。インサイトは22km/リットル越えの好記録で4位・5位を得るなど健闘している。なおCR-Zの最上位は9位で、18.9km/リットル(松本恵介さん)を記録している。

参加者の中には省燃費走行に自信を持っているユーザーもいたが「いざコースインしてみると、なかなか思い通りにいかなかった」という声が多く聞かれた。

なお参考記録として、省燃費走行を得意とする自動車評論家の竹岡圭氏がプリウスで24.0km/リットル、インサイトでは28.3km/リットルという良好な数値を残した。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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