ピレリのSUV向けタイヤ『スコーピオン・ヴェルデ』をバルセロナでテスト

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オンロードメインの中・大型SUV向けタイヤ

世の中はエコカーブームで、乗用車より重量があるSUVを愛用しているドライバーは肩身が狭い思いをしているかもしれない。でもそんなSUVユーザーに朗報なのが、ピレリ『スコーピオン・ヴェルデ』の誕生である。

[写真15点]

“スコーピオン”は蠍(サソリ)という意味で、オフロードカーやSUV用タイヤを、ピレリではこう呼んでいる。“ヴェルデ”はイタリア語でグリーンという意味で、環境にやさしいイメージを色で表している。

ドライビングの喜びを最大限にするとともに、環境を考慮しながら安全性とパフォーマンスを確保するピレリのグリーンサマータイヤは「チントゥラート」と呼ばれ、現在P4、P6、P7の3種類がラインナップされているが、こうしたエコタイヤを乗用車だけには留まらずSUV用にも広まるだろう。

バルセロナで開催されたピレリ・スコーピオン・ヴェルデ国際試乗会での模様をお伝えしよう。

◆乗り心地と排水性に配慮

ピレリではSUV用タイヤをスコーピオンと呼ぶ。その中でオンロードでの通常走行からハイパフォーマンスの領域を担当するのは「ZERO」、オンロードがメインの「STR」、オンロードとオフロードの両方を受け持つのが「ATR」という3種類が用意されていたが、そこにヴェルデが加わった。路面の担当領域は「STR」と同じオンロードである。

トレッドパターンは左右非対称で4本のストレートグルーブが基本になっている。中央と外側は斜めの切れ込み(スリット)の幅は狭くまた深くもないからリブパターンと呼べ、オンロード志向だということが判る。内側は乗り心地と排水性を考慮してちゃんと幅のあるスリットが刻まれている。

バスに揺られて1時間、バルセロナ郊外にあるイディアダ・インターナショナル・サーキットに到着。ここはJARI(日本自動車研究所)のようなテストコースで、さまざまなコースが用意されている。覆面車もたくさん走っているからカメラは持ち込み禁止だ。今回はここの自動散水設備が整ったウェットハンドリング路をスコーピオン・ヴェルデで走った。

アウディ『Q5』、BMW『X3』、ボルボ『XC60』で走ったが、どれも粘り強いグリップで走りやすかった。ウエットコースは表面がフラットできれいな路面ではあるがミューは高そうにない。それでもスコーピオン・ヴェルデで走るとグリップ限界は高く、滑り出したときにも急激ではないのでコントロールしやすかった。転がり抵抗を小さくして燃費を良くするとウエットグリップが低下するという二律背反の関係にあるが、ピレリはそれを技術で克服しているようだ。

◆燃費も4%向上

コーナーでハンドルを切り込んでいくとかなり深くまで追従してくれるし、タックインを使ってみても挙動変化は穏やかだった。攻めた走りをしても急にグリップを失うことはなく、ハンドルが軽くなるなどドライバーに対するインフォメーションもある。
基本的にタイヤがでしゃばってくることなく、それぞれのクルマの特性を素直にだしていて、クセがとても少ないタイヤだ。

ウエットハンドリングコースが終わってから一般道や高速道路も走った。アウディQ5で走ったがタイヤの転がり方がスムーズなのが印象に残っている。SUV用というより乗用車用タイヤという感じだ。これもリブパターンを基調として転がり抵抗を小さくしようとしたメリットかもしれない。

応答性やコーナリング性能はしっかり感があり粘るグリップのお蔭で、重心の高いSUVでも不安はない。ハンドル直進付近のニュートラル感もSUV用タイヤによくあるグニャ感がなく、まるで乗用車としてドライビングできるのが良い。

快適性も充分高いレベルだ。騒音は高音域のパターンノイズもゴォーという低いロードノイズも聞こえない。高速道路では風切り音の方が大きいくらいだ。

これだけのパフォーマンスを持ちながら、転がり抵抗を小さくして燃費が4%も良くなるというのだから、SUVユーザーはもう肩身の狭い思いをしなくても良くなるだろう。スコーピオン・ヴェルデの日本市場への導入は、2011年の春の予定である。ただし新車装着用としてアウディQ5、ボルボXC60、VW『トゥアレグ』が決まっているというから、そちらの方が先に上陸するかもしれない。

《こもだきよし》

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