【ベストペインターコンテスト】ITの使いこなしと色彩を見分ける感覚が勝負を分ける

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フランスで開催される塗装技術者のコンテストに日本代表として出場する永塚伸洋氏のデモ
フランスで開催される塗装技術者のコンテストに日本代表として出場する永塚伸洋氏のデモ 全 15 枚 拡大写真

ボディ塗装の仕上がりで重要となるのが色合わせの技術。今回、フランスで開催される塗装技術者の選手権「ベストペインターコンテスト国際チャンピオンシップ」に日本代表として出場する永塚伸洋さんのデモで最新の塗装技術を見学した。

修理における塗装では、新車に使われている塗料をそのまま塗ればいいというものではなく、使用年数によって退色の具合もバラバラ、さらに北海道から沖縄までクルマが使われる地域によっても紫外線の量は違い、クルマにより退色の状況が違うのだ。

現在、BASFコーティングスジャパンが日本で展開するシステムを使った塗装作業では、色の調合はコンピューターによって示されるデータにより行われる。

車輛のデータをコンピューターに入力すると、その車輛のカラーデータがあらわれる。そこには経年変化などを考慮した数パターンのカラーデータが示される。ボックスに用意された実際に色が塗られたカード状のカラーサンプルを取り出し、カラーサンプルと車輛の塗装状態との比較し、カラーデータを決定する。そのあとはデータが示すとおりに色を調合するといったものだ。

こういったシステムが登場する前は、色を調合する段階で塗料の色合わせをする必要があり、まさに経験と感覚による職人技を必要としていたのだが、システムのサポートにより若い塗装技術者でも効率的に作業出来るようになった。技術者は調合よりも塗りの仕上がりに集中することができるようなったのである。

「R-Mベストペインターコンテスト」での究極の戦いでは調合の段階でいかに手早く正確に色を検索出来るのか、システムの全容を感覚的に把握する能力が試される。6枚のカラーサンプルが用意され、ストックされた膨大な量のカラーサンプルから適合するものを見つけるといったテストなど、何処にどのカラーが保管されているか、頭の中でおおよその位置をつかんでいないと、見つけるまでに時間がかかってしまう。

永塚さんの大会参加のためトレーニングをサポートしてきたBASFコーティングスジャパンの門傳真木人氏は「こういったシステムにおいても、最後に必要となるのは人間の感覚です」と語っている。

サポートシステムを感覚の一部と化して調合に役立てる、そのようなペインターでないと世界で戦うことは出来ないのだ。

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