【ベストペインターコンテスト】ITの使いこなしと色彩を見分ける感覚が勝負を分ける

自動車 ビジネス 企業動向
フランスで開催される塗装技術者のコンテストに日本代表として出場する永塚伸洋氏のデモ
フランスで開催される塗装技術者のコンテストに日本代表として出場する永塚伸洋氏のデモ 全 15 枚 拡大写真

ボディ塗装の仕上がりで重要となるのが色合わせの技術。今回、フランスで開催される塗装技術者の選手権「ベストペインターコンテスト国際チャンピオンシップ」に日本代表として出場する永塚伸洋さんのデモで最新の塗装技術を見学した。

画像19枚:日本代表永塚伸洋氏のデモ

修理における塗装では、新車に使われている塗料をそのまま塗ればいいというものではなく、使用年数によって退色の具合もバラバラ、さらに北海道から沖縄までクルマが使われる地域によっても紫外線の量は違い、クルマにより退色の状況が違うのだ。

現在、BASFコーティングスジャパンが日本で展開するシステムを使った塗装作業では、色の調合はコンピューターによって示されるデータにより行われる。

車輛のデータをコンピューターに入力すると、その車輛のカラーデータがあらわれる。そこには経年変化などを考慮した数パターンのカラーデータが示される。ボックスに用意された実際に色が塗られたカード状のカラーサンプルを取り出し、カラーサンプルと車輛の塗装状態との比較し、カラーデータを決定する。そのあとはデータが示すとおりに色を調合するといったものだ。

こういったシステムが登場する前は、色を調合する段階で塗料の色合わせをする必要があり、まさに経験と感覚による職人技を必要としていたのだが、システムのサポートにより若い塗装技術者でも効率的に作業出来るようになった。技術者は調合よりも塗りの仕上がりに集中することができるようなったのである。

「R-Mベストペインターコンテスト」での究極の戦いでは調合の段階でいかに手早く正確に色を検索出来るのか、システムの全容を感覚的に把握する能力が試される。6枚のカラーサンプルが用意され、ストックされた膨大な量のカラーサンプルから適合するものを見つけるといったテストなど、何処にどのカラーが保管されているか、頭の中でおおよその位置をつかんでいないと、見つけるまでに時間がかかってしまう。

永塚さんの大会参加のためトレーニングをサポートしてきたBASFコーティングスジャパンの門傳真木人氏は「こういったシステムにおいても、最後に必要となるのは人間の感覚です」と語っている。

サポートシステムを感覚の一部と化して調合に役立てる、そのようなペインターでないと世界で戦うことは出来ないのだ。

《》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産、新型『エルグランド』世界初公開へ…ジャパンモビリティショー2025
  2. ヤマハ発動機が新型3輪オープンカー、「AIで成長する」2輪車を世界初公開! 大型EVバイクなど16モデルずらり…ジャパンモビリティショー2025
  3. スズキが新型「軽EV」を世界初公開へ、2026年度内に量産化、軽商用EVも…ジャパンモビリティショー2025
  4. テスラ専用「破壊不可能」ホイール、18インチサイズを追加…米アンプラグド・パフォーマンス
  5. 日産の新型SUV『テクトン』、写真公開…2026年発売へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る