ホンダの伊東孝紳代表取締役社長は8日、本田技術研究所四輪R&Dセンター(栃木)において、被災施設の復旧についての現状報告を行った。伊東社長は、震災直後に自分のオートバイに乗って各事業所を回り、被災状況を確認したという。
栃木県にはホンダの研究所、購買部門、部品工場、生産技術の開発を行うホンダエンジニアリングなど、多くの施設があるが、伊東社長は、「天井の落下や壁の崩れなど、どの施設もすぐには業務を再開できる状況ではなく、復旧させるのは並大抵のことではない」と感じたという。
そこで、栃木の本部事務所が損壊した購買部門は、埼玉製作所に緊急のサテライトオフィスを設け、二次・三次を含む取引先の被災状況の確認や、部品供給への影響の検証を始めた。被災で困難となった部品供給の回復に向け、部品一点一点について対策を講じている。
また、四輪の研究開発部門は、工場など他事業所にサテライトオフィスを設けて、3月28日に開発業務を再開。伊東社長は「量産機種の開発は、工場との連携業務が多いため、生産現場が近いことで結果的に効率の良い開発ができると期待しています」とコメントしている。