【Fニッポン開幕戦】決勝…ロッテラーが初の開幕戦勝利

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フォーミュラ・ニッポン開幕戦表彰台。ロッテラー(向かって左)と舘信秀監督
フォーミュラ・ニッポン開幕戦表彰台。ロッテラー(向かって左)と舘信秀監督 全 14 枚 拡大写真

フォーミュラレースの日本最高峰「全日本選手権フォーミュラ・ニッポン」が、5月14〜15日に鈴鹿サーキットで開幕を迎え、38周の決勝レースをアンドレ・ロッテラー(トムス・トヨタ)が制した。ロッテラーは参戦9年目にして自身初の開幕戦勝利である。

東日本大震災の影響により、当初の予定から約1か月遅れて開催された開幕ラウンド。前日の予選では6位に沈んだロッテラーだが、決勝では目の覚めるようなロケットスタートでいきなり2位に浮上する。その後は小暮卓史(ナカジマ・ホンダ)とのマッチレースになったが、トップ小暮のピットストップ時に痛恨のミスが発生し、ここで逆転したロッテラーがそのまま逃げ切って優勝を果たす。

「パーフェクトなタイミングのスタートだったよ。ピットストップが逆転のチャンスと思っていたが、ミスなく作業してくれたチームクルーに感謝したい」とロッテラー。毎年シリーズ上位につけながら、王座にはあと一歩届かない彼だが、今季はまさに最高のスタートを切った格好だ。ただ、実は6月の第2戦は、その翌週のルマン24時間耐久レース参戦の都合上、欠場となる見込み。それを考えても、初戦勝利の意味と価値は大きいだろう。

一方、やはり悲願の王座を目指す、同じ9年目の小暮は、ロッテラーを追い上げたかったレース後半に「ヘアピンの進入でタイヤにフラットスポットをつくってしまいました。すごい振動で(同じ症状になった05年F1ニュルブルクリンク戦のキミ)ライコネン選手のクラッシュが頭に浮かんできたくらいでした」ということで、今回は2位で我慢するしかなかった。ともあれ、万年“チャンピオン候補”の名を返上したい両者の拮抗した争いで今シーズンは幕を開けた。最後に笑うのはどちらか、あるいは別の誰かだろうか---?

予選で初めてのポールポジションを獲得した山本尚貴(無限・ホンダ)はスタートで出遅れ、直後の1〜2コーナーで他車と接触、無念のスピンで勝負権を失った。これを避けるためにスピンした前年王者ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(インパル・トヨタ)は6位。

兄弟対決の実現で注目されたのは、かつて日本人初のF1レギュラードライバーとして勇名を馳せた中嶋悟のファミリーだ。父同様にF1レギュラー経験を誇る長男・一貴(トムス)と、父のチーム(ナカジマ)で走る次男・大祐の対決だが、予選ではよもやのQ1落ちを喫した一貴(14位)に対し、Q2進出を果たした大祐(11位)が先行。しかし決勝では、早めのピットインでクリアなところに出てトップ2と同じペースで走った一貴が、皆がピットストップを終えた時点で3位にまで浮上。Fニッポン初戦を11台抜きでの表彰台獲得という結果で終えている。大祐は予選順位と同じ11位に終わり、まずは経験で上まわる兄が決勝で貫禄を示したかたちに。

「昨日は最低の気分でしたが、今日は最高と言ってもいいくらいですね。いいレースができて、正直、少し安心できたかな、と思います」と、一貴は安堵した笑顔でコメントした。

今回は約220kmのレース距離で、1回のタイヤ4輪交換が義務づけとなっていたため、燃費との兼ね合いで戦略的な幅はあまり広くなく、ピットインしてタイヤ交換にかかる時間の分くらいの給油をする作戦に皆が落ち着いた。直前のテストが雨に祟られるなどして、2011年仕様のブリヂストンタイヤの特性をつかみ切れないなかでの戦いでもあったが、結果的には、予選で失速したトムスが見事な1-3フィニッシュを飾り、最高の開幕ダッシュに。なおロッテラーは次戦欠場見込みだが、その場合はおそらく代走が起用されるだろう。

第2戦は6月4〜5日。次なる戦いのステージは、九州・大分県のオートポリスだ。

《遠藤俊幸》

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