[大人の夏休み]震災を越えて走る…東北からの注文が減った

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アイドラーズ12時間+9分耐久レース
アイドラーズ12時間+9分耐久レース 全 4 枚 拡大写真

第4スティントは、大阪でレーシングギヤショップを経営するアンダーレの代表取締役・山本に「AIOC東日本復興祈願145」が託された。山本はショップ経営を営む傍ら、自らもホビーレースに積極参加するアマチュアレーサーでもある。普段は岡山国際サーキットをメインに走り込む彼だが、一時所有していた黄色い『145』はその速さから、ちょっとだけ有名だった。

「今回のクルマは乗りなれた145の中でも、抜群にニュートラルで乗りやすかったです。それこそ145はいろいろなクラスの、いろいろなセッティングのものに乗ってきましたが、タイムを削りに行くにはいろいろ違ったアプローチも出来るでしょうけど、耐久用にどんなドライバーが乗っても乗りやすく、壊れにくいという作り方として、一つの正解であると感じました。アルファロメオ江戸川さんの車両づくりのセンスには脱帽ですね」

山本はコース上で好ラップを連発して順位を上げ、さらにコース上でアクシデントが発生しセーフティーカーが導入された際にはその好機も見逃さず抜群のタイミングでピットインし、なんとこの時点で10番手前後までポジションを回復してみせたのだ。

山本も阪神淡路大震災の体験者である。それだけに3月11日の出来事はショックだったと語る。「阪神淡路大震災の経験のある我々としても、地震だけでなく津波の恐ろしさをまざまざと見せ付けられ恐怖しました。同時に、それでも何も出来ない人間の弱さに愕然としてしまいました。会社として売上の中から義援金を、街で募金箱を見つけると募金と、微力ながら出来ることをするようにしてきましたが……」と語る。

ショップは関西にあってもインターネット通販が売り上げの多くを占めるという同店だが、今年の震災以降、売り上げ云々ではなく、とくに東北方面からの注文が減ってしまったことに胸を痛めているという。

バトンは山本から江本へ託された。江本は現在もポルシェカレラカップ・ジャパンに参戦するアマチュアレーサーでありながら、九州の福岡県で「江本ニーアンドスポーツクリニック」の開業医として活躍している。とくに膝関節の施術に関しては世界的な評価を得ている名医との評判だ。そんな江本もアルファロメオのホビーレースを通じて知り合った仲間なのだ。

江本が担当した第5スティントでもコース上のアクシデントが多発してセーフティーカーが何度も出動となったが、そうした場面でも着実に順位を上げて6番手というポジションまでアップして次の佐藤にバトンを回す(文中敬称略)。

《編集部》

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