【CEATEC 11】TVを超えた存在に…スマートフォン向け放送局、2012年開設

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左から、シンガーソングライター芸人のAMEMIYA(あめみや)さん、mmbi小牧次郎常務取締役、二木治成代表取締役社長、「AneCan」専属モデルの高垣麗子さん
左から、シンガーソングライター芸人のAMEMIYA(あめみや)さん、mmbi小牧次郎常務取締役、二木治成代表取締役社長、「AneCan」専属モデルの高垣麗子さん 全 18 枚 拡大写真

 10月4日から幕張メッセで開催されている最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2011」。会場のmmbiブースでは、日本初となるスマートフォン向けの新放送局に関する発表会が開催された。

 mmbiは、国内で初めてのスマートフォン向け新放送局を2012年4月にスタートする予定だ。現在、モバキャス(V-Highマルチメディア放送)を行うための業務認定を申請中だが、本番に向けて新放送局の名称やロゴなどを発表した。その名は「NOTTV」(ノッティーヴィー)。NOTTVは「NOT」+「TV」の造語だという。文字通り、従来のようなTVではないということだ。

 mmbiの二木治成氏(代表取締役社長)は「TVにはできないことをやりたい。TVを超えた存在になることをコンセプトにしている。ロゴは遊び心や楽しさを表現し、NOTの"O"の文字をスマートフォンのモニターになぞらえた。キャラクターは"ノッティー"という名前で、常に何か面白いことをやろうという、やんちゃなモンスターのイメージだ」と語り、NOTTVが従来のTVと全く異なる番組を目指すことを宣言した。

 またmmbiの小牧次郎氏(常務取締役)は「今年のCEATEC会場は"スマート"の文字であふれている。いよいよスマートフォンの市場が立ち上がった。次はスマートTVの時代だといわれているが、すべてのTVがインターネットにつながるまでには時間がかりそうだ。しかしNOTTVは、もともと通信機であるスマートフォンに向けて放送する。つまり最初からインターネットにつながっているモバイル・スマートTVだ。ネットと完全につながっているから、SNSとの連携も当たり前。視聴者全員が参加するクイズ番組もできる」とNOTTVのメリットを強調した。

■全国一斉ライブ放送をワンセグの約10倍の画質で見られる

 続いて、NOTTVを紹介するプロモーションビデオが放映された。NOTTVには2つの視聴スタイルがあり、ユーザーは「リアルタイム視聴」と「シフトタイム視聴」を選べるようになっている。リアルタイム視聴では、全国一斉ライブ放送をワンセグの約10倍の画質で見られる。もちろん番組を視聴しながら、同時に通信機能も活用できる。一方、シフトタイム視聴のほうは、あらかじめ登録しておくと番組を自動受信し、いつでも自分の好きな時間に番組を視聴できる。コンテンツも充実しており、TV番組のみならず、雑誌・新聞など、定期購読の感覚で閲覧が可能だ。

 NOTTVでは、いま3つのチャンネルを準備しているところだが、実はモバキャスに参入を表明しているのは現時点ではmmbiのみ。「まずモバイル・スマートTVならば、こんなに面白いことができるということを示していきたい。その実績を見ていただく中で、他の多くの会社にもぜひ参画して欲しい」(小牧氏)と意気込みを述べた。

■「こんなにキレイな映像を携帯で見たのは初めて!」高垣麗子さんも絶賛

 本発表会では、デモンストレーションとして、NOTTVで放映されるコンテンツの具体例も紹介された。mmbのブースは、本番さながらのスタジオに仕上がっており、ここで番組を放映できるようになっていた。実際に生のファッションショーやソーシャルトーク番組も用意。ファッションショーでは華やかな「神戸コレクション・ピックアップ」が行われ、数人のモデルが会場に華を添えた。ファッションショーの終わりには、特別ゲストとして「AneCan」専属モデルの高垣麗子さんが登場。高垣さんは「とにかくコンテンツが高画質。こんなにキレイな映像を携帯で見たのは初めて! 皆で参加できるという新しい感覚もいいです」とNOTTVを絶賛。

 また、シンガーソングライター芸人のAMEMIYA(あめみや)さんも応援に駆けつけ、NOTTVの開局を祝して、オリジナルソングを披露。持ち歌の「冷やし中華始めました~」ならぬ、替え歌「NOTTV始まります~」を弾き語りで大熱唱。番組に出演オファーを求めつつも、芸人らしく歌詞にギャグを散りばめ、会場は和やかなムードに包まれた。AMEMIYAさんはNOTTVについて「芸をやって、すぐにライブで反応が返ってくるのは面白い」とコメント。従来のTVとは異なるモバイル・スマートTVの潮流は、視聴者だけでなく、出演者にも影響を与えそうだ。

■折込みチラシとカーナビの連動によるビジネス展開の事例も

 スタジオ会場の裏手には、NOTTVを利用する際のスマートフォンのインタフェースが紹介されていた。対応するスマートフォンとして、NTTドコモの「SC-02C」「N-06C」「SH-13C」などの機種が展示され、NOTTVの番組を視聴できるようになっていた。実際に触れてみると、NOTTVアプリのインタフェースは思っていたよりも秀逸だった。スマートフォンで番組を視るにはアプリを起動するだけで、すぐにリアルタイム番組を楽しめる。チャンネルの変更もフリックするだけで簡単だ。またNOTTVの画質はワンセグの約10倍もあり、鮮明で滑らかな映像だと一目瞭然だ。もちろんSNSも利用できる。番組とSNSのタイムラインが連動するので、いちいちアプリケーションを切り替える必要もない。同じスポーツ番組を観ている人とコミュニケーションを取りながら楽しみや感動を分かち合えるのだ。

 またユニークなビジネスも提案していた。折込みチラシとカーナビの連動によるビジネスの事例だ。放送波を通じて、毎朝スマートフォンにチラシが自動的に届く。好きなものをクリックすると、店舗位置リストと位置データがカーナビにBluetooth経由で転送される。カーナビ上では、スマートフォンで選択した店舗を目的地候補として表示。次に目的地をユーザーが指定すると、関連する店舗のお得情報(クーポン)などが表示され、それをスマートフォン側に再度転送できる。ユーザーは店舗に着いたら、すぐにスマートフォンを出して、クーポンを使って買い物ができるというわけだ。このようなモデルは、まさにスマートフォンならではの活用事例といえよう。広告の効果も上がりそうなので、モバイル・スマートTVが成功すれば出広が増えるかもしれない。

【CEATEC JAPAN 2011(Vol.6)】TVにできないこと、TVを超えた存在になることがコンセプト……mmbi NOTTV

《井上猛雄@RBB TODAY》

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