日産自動車は2日、2011年度第2四半期決算を発表した。その会見の席上、志賀俊之COOは今上半期の営業利益が7.5%減の3096億円だったことに対し、「評価できる数字」との認識を示した。
東日本大震災、急激な円高など大きな逆風があったなかでは、よくやったという数字というわけだ。ホンダやマツダなど同業他社が大幅な減益を計上したことを考えると、確かにうなずける話である。
志賀COOは特に震災からの早期の復旧、生産再開について評価しており、従業員、サプライヤー、販売店に対して「苦境のなかで頑張ってくれた」と感謝の弁を述べた。そして、早期に生産を再開できた理由についてこう解説した。
「まずはクロスファンクション。これはもともと日産ウェイのなかで非常に重要な要素として入れてあるわけですが、いろいろな部門が連携して一つの目標に向かって一緒に仕事をしていくというもの。そして、もう一つがクロスリージョン。情報が日本だけでなく、グローバルに随時流れているので、世界のどこにいても、いまどういう状況が起こっているか、あるいはそれぞれの国の人たちが自分たちが何をしなければならないか理解できている」
日産は早くからこの2つのことに力を入れていたので、震災からの復旧も素早くできたというのだ。これはタイの洪水でも同様だという。何か大きな出来事が起こったとき、それを早く解決できるか否かは日頃の活動が重要というわけだ。