【VW ティグアン 試乗】上質超軽量なダウンジャケットのよう…青山尚暉

試乗記 輸入車
VW ティグアン(写真は欧州仕様)
VW ティグアン(写真は欧州仕様) 全 16 枚 拡大写真

VWのジャストサイズSUV、『ティグアン』がビッグマイナーチェンジ。

外観では水平・直線基調の最新のVW顔とヘッドライトにLEDポジショニングランプが与えられ、トゥアレグとの共通性、上級感が一段と増した。2リットルターボエンジンを9psアップ(トルクは不変)しつつ10・15モード燃費は11.6km/リットルと従来と同じ。

また、オフロードスイッチを廃止し、ヒルディセンドアシスト&ABSプラスなどの本格悪路機能は省かれたものの、基本がフルタイム4WDの4モーションだから、オンロードメイン、たまに雪道といった用途ならまったく問題ないだろう。

運転席の視界は高めの着座位置、立ち気味のAピラー、VWとしては低めにセットされたインパネによって爽快、ルーミー。走り出す前から運転のしやすさを実感できる。注目すべきは後席の居住性。フロアに対してシートが高く、まるで椅子感覚の掛け心地。前方視界に優れ、腰の移動量が少なくて済み、乗降性も抜群だ。AC100Vコンセント、シートバックテーブル、4か所のオーバーヘッドコンソールボックス、『パサート』譲りのドライバー疲労検知システムなどの装備も嬉しい。

そんな新型ティグアンを走らせると、SUVらしからぬ軽快感、乗り心地のフラットさ、4気筒エンジン最上級と言えるスムーズさとレスポンスの良さ、そして7速DSGの完璧な変速、自動シフトダウン機能の気持ち良さなど、ちょっとクセあるブレーキフィール以外は文句の付けようなしである。モンクレール、デュベティカに次ぐ第三勢力と言われるタトラスのダウンジャケットのような体にジャストフィットする着心地、いや乗り味が心地良い。

荷室は開口部高こそ地上775mmと高めだが、フロアは幅1060mm、奥行き810mm~、ドックネット付きとけっこう実用的。後席は7:3分割で荷室奥行きを拡大でき、センタースルー機構で長尺物の積載にも対応する。

後席座面の地上高もまた730mmと高めで、大型犬を荷室や後席に乗せるのはちょっと大変ではあるけれど、抱いて乗せられる中小型犬ならまったく問題なし。国産SUVを検討中なら、ぜひ比較対象に挙げてほしい1台である。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
ペットフレンドリー度:★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフジャーナリスト
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)や海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組も手がける。

《青山尚暉》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  3. “プチカスタム”でサマードライブの楽しさをブーストアップ![特選カーアクセサリー名鑑]
  4. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
  5. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る