【2011年10大ニュース座談会】その3 東京モーターショー11をいかに評価すべきか

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トヨタ86を見物するための行列も発生した(東京モーターショー11)
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 東京モーターショー11をいかに評価すべきか

石田---環境対応技術で埋め尽くされた「東京モーターショー」の話題にいきましょう。トヨタ『86』、スバル『BRZ』のようなスポーツモデルの提案もあったけど、圧倒的に多かったのはEVでした。

三浦---すごく素朴な疑問なんだけど、東京モーターショーって成功したの?

高木---84万人の入場者がありました。目標の80万人は突破しました。

小松---この「84万人」という数字をどう解釈するかなんですよね。前回よりも短い会期で「これだけ集めたから成功だ」とするのか。目標が80万人超でしたけど、この数字自体がかなり手堅い数字で、これを下回る可能性は低かったんじゃないかと見ることもできる。

石田---会場も東京ビッグサイトになったし、クルマに興味が無いとされてきた若い世代の間でも話題になっていました。何が盛り上がっているか、「モーターショー」というワードをtwitterで検索したけど、ツイート数も多かった。

中島---夜間開催は一定の成果を上げたと思うんです。また、雨の日でも相当数が並んでいましたね。

三浦---入場者数には成功だったかもしれない。けれど、国際的な展示会という印象は薄いかな。外国人が、国際的なショーのはずなのになぜ表示言語が日本語だけなんだ、と困惑していたり。

高木---続いて「第三のエコカー」です。

宮崎---自分は個人的にこの「第三のエコカー」という表現が好きにはなれないんですよ。エンジン技術の発展系なので、本来は「第一の技術」ですよね。

土屋---ハイブリッド、EVに続くという意味での「第三」という意味でしょうね。

三浦---これって、元々は「第三のビール」とか、そういうものに引っ掛けた感じじゃない? ということは「プアマンズ・エコカー」ってこと?

一同---それは過激すぎます!

三浦---そういう意味も込めて…じゃないの?

石田---違うでしょう、そんなこと言ったら怒られます!

宮崎---低燃費化では不利と言われてきた軽自動車用のエンジンでリッター30kmを実現してきたのはすごいと思うんですよ。

高木---『ミラ・イース』はすごかったよね。スズキもその直後に『アルト』をこっそり出してきたけど。

土屋---これは「ガソリンエンジンの逆襲」とか、そういう表現の方がいいのかな。あるいはハイブリッドに向かわない中・下位メーカーの意地とか。

三浦---結局さあ、「燃費が良いからハイブリッドを買う」っていうじゃないんだよ。「ハイブリッドだから買う」、「プリウスだから買う」、「新しいから買う」んだよ。

小松---プリウスの値上げというのはこうした背景も影響しているように思いますね。

宮崎---続いては税制・税金ですね。

三浦---エコカー補助金が期間限定で復活というのが直近の話題だけど、これは2011年の話というより、2012年の話じゃないの?

中島---12月20日以降に新車登録をした平成27年度燃費基準達成車、または平成22年度燃費基準25%超過達成車が対象になっています。

高木---登録車で10万円、軽が7万円でしたね。

中島---問題は取得税と重量税なのですが、平成24年度の税制改正大綱にこれらの廃止は盛り込まれなかった。

小松---自工会は粘ったけど、税制改革は進まず。

三浦---やはりこれは来年の話だよ。

(つづく)

■3月11日以降が「2011年」

■「サプライチェーン」がキーワードになった

《レスポンス編集部》

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