【スバル BRZ 試乗】自分の手に負えるスポーツカー…椿山和雄

試乗記 国産車
スバル BRZ
スバル BRZ 全 18 枚 拡大写真

スバルのFRスポーツ『BRZ』、トヨタ『86』でも共通となるが『プリウス』でも使っているエコタイヤを履いていることが、この車の性格を一番よく表している。

BRZでは、タイヤの性能に限界を定めることで、一般公道ではファミリーカーと比べて抜群の安定感を感じることができ、サーキットにおいてはドライバーの手に負えそうな軽快感を残した、というのがこの車の狙いと言える。

いわゆる“ハイパフォーマンスモデル”は、自分で“車をコントロールできる”軽快感とはほど遠くなる存在であるが、このBRZではアクセル全開で踏み込める軽快感がありつつ、ステアリングの操作感やシフトフィール、体に伝わってくる音や振動は、スポーツカーであること十分に感じさせてくれる仕上がりだ。

トヨタ『86』との違いも気になるところだが、走りに関係する部品の違いはスプリングとダンパーのみで、BRZでは安定感を重視したものを採用したというので、車種選択は好みの問題となるようだ。

また、全車で横滑り防止装置の「VDC(VSC)」を標準装備しているが、「VSC SPORT」モードは適度なドリフトを許容する。

サーキット走行での話になるが、「VSC SPORT」モードではドライバーが車をコントロールする幅を残しつつ、スピンに陥りそうな状況にはシステムが介入し、自分の行きたい方向にステアリングを切っていれば、とりあえず車はそちらの方向に向かってくれる。

試乗当日は路面がウェット状態であり比較的容易にドリフト状態に持ち込めた。スピンに陥りそうな状況になるとシステムが介入してくれるので、安心感とともに車をコントロールする楽しさを実感することができる。

環境性能では、燃費は13.4km/リットル(RAグレード)とエコカーと比べてしまうと平凡な数字。軽くて楽しくかつ環境にも配慮した、新世代スポーツカーの象徴となるチャンスであったのだが…。BRZの開発とは別にダウンサイジングコンセプトの小排気量エンジンを開発しているというので、次の機会に期待したいところ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

椿山和雄|フリージャーナリスト

1977年生まれ・埼玉県在住。『レスポンス』編集部員としての長年のキャリアを活かし、現在はフリーランスのライターとして活躍。流行ものに興味がいってしまうミーハーで、ドライビングテクニックの上達を目指して『グランツーリスモ』で腕を磨く。エコランにかけてはプロを凌ぐほどの結果を残すことも。

《》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  2. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
  3. ホンダ『プレリュード』新型、ホームページで先行公開…発売は9月
  4. ホンダ『N-ONE e:』の価格を予想、280万円台からか…実質ガソリンモデル並み?
  5. スバル『フォレスター』に早くも「理想の姿」と話題の特別仕様、「最初から出してよ!」の声も
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る