【レクサス GS 試乗】GS250の価格対満足度が高い…青山尚暉

試乗記 国産車
GS250 F SPORT
GS250 F SPORT 全 27 枚 拡大写真

05年8月に初代『GS』のデビューでスタートした国内レクサスブランドのラインナップが約7年にして一巡。この2代目GSの発売で国内レクサスブランドは新たなステージを切り開くことになる。

【画像全27枚】

その象徴が次世代レクサスの顔となる台形のスピンドルグリル。昼間もさることながら、夜の顔(!?)はかなりの迫力。後ろにつかれたらボクなら即座に道を譲る。

新型GSのラインナップは、新たなグレードとなる2.5リットルV6エンジン搭載の「GS250」、3.5リットルV6の「GS350」、そして少し遅れて登場する3.5リットルV6エンジンベースのHV、「GS450h」の3タイプ。さらにレクサススポーツの本拠地、富士スピードウェイの頭文字をとった「Fスポーツ」も各モデルに用意される。

価格はGS250で510万円から。HDDナビ、量産車として世界最大の12.3インチのモニターが全車標準だから、ナビ別で考えると実質450万円~のスターティングプライスとなるかも知れない。GS、安くなりました!!

19インチタイヤ&専用サス、ブレーキシステムなどが奢られるFスポーツのハイライトはズバリ、LDH=レクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム(GS350以上に装備)だ。走りの軽快感と驚異的なスタビリティの両立を狙った、可変ステアリングギヤレシオ、80km/hまで逆位相、80km/h以上で同位相となる最大2度の能動的後輪ステアを基本とするレクサス初のシステムとなる。

LDHはすでに富士スピードウェイの各種コースでも経験済みだが、左右の路面状況が大きく異なる場面での急発進、急減速時の類まれなる安定性、200km/hオーバーの世界で体験した高速域での超安定感と意のままの応答性はもちろん、後輪操舵のメリットのひとつであるUターンやクランク路などでの取りまわし性の良さをごく自然に発揮してくれる点に注目だ。19インチタイヤ装着車でも最小回転半径はたった5.3mなのである。

全車に採用されるドライブモードセレクト(ECO/ノーマル/スポーツ/スポーツ+)についても説明が必要だ。その制御だが、パワートレインはECO→ノーマル→スポーツの順に変化。しかしシャシー制御はスポーツまでが標準状態のままで、スポーツ+で始めて本格的なスポーツ制御に切り替わる仕組み。

GS350の脂の乗ったトルキーでウルトラスムーズなエンジンフィール、息を飲む強烈な加速力(ECOモードでも十分速い)、19インチタイヤでも前後席ともに快適感極まる乗り心地(ドライブモードセレクトのスポーツまで)、そしてサーキットでも経験した200km/hオーバーの世界や160km/hコーナリングでも発揮される超絶な安定感、レクサス十八番の高い静粛性はさすがといわざるを得ない。

しかし、GSのスポーツセダンとしての真価はドライブモードセレクトのスポーツ+にある。メーター上面は赤く染まり(スポーツ以上)、乗り味は本格スポーツカーを想わせるゴツゴツした硬派なタッチに変貌。操縦性はEPSの電動アシストが介在しないかのような、意のままに操れる極めてソリッドでシャープな手応えになる。そしてRの大小を問わずコーナーでステアすればドライバーを中心に車体が回頭しているようなスポーツテイストを堪能できるのだ。ただし、ドライバーにはスポーツカーと対峙するようなそれなりの“構え”が必要な硬派なモードでもある。

とはいえ、お薦めしたいのはGS250だ。走りはレクサスクォリティそのもの。FスポーツにLDHが装備されなくなるものの、パワー的にもまったく不満なし。ドライブモードセレクトをスポーツ+にしてもGS350ほど乗り味がハードにならないのもいい。後席の乗り心地に関してはGS350に譲るが、価格対満足度はけっこう高い。全車に貫かれる、高性能に裏側にあるべき究極の安全性能の追求もまた、新世代レクサスの誇りだ。

最後に一言。メルセデスベンツ、BMW、AUDIにあるワゴンがなぜ、レクサスにないんだろう? このクラスのユーザーの多くがペットを飼っているというのに!!

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
ペットフレンドリー度:★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフジャーナリスト
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組も手がける。

《青山尚暉》

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