【スズキ アルトエコ 試乗】燃費は良いが音振などは安っぽい…松下宏

試乗記 国産車
スズキ アルトエコ
スズキ アルトエコ 全 8 枚 拡大写真

ダイハツの『ミライース』に続いて、スズキからも『アルトエコ』と呼ぶ燃費スペシャルが登場してきた。

【画像全8枚】

ミライースが相当に気合の入った低燃費車だったので、ほかのメーカーがこれに追いつくには半年から1年はかかるだろうと思っていたら、アルトエコはわずか3か月ほどで追いついてきた。

軽自動車の覇権争いをしている以上、いつまでも放置できないということだろうし、スズキもダイハツと同じような発想で同じような低燃費車の開発を進めていたということだ。そうでなくてはこのタイミングで出てこない。

それにしても、JC08モードの燃費は『アルト』の「G」が22.0km/リットルだったのに、アルトエコは一気に30.2km/リットルにまで引き上げてきた。この改良幅は半端ではない。ただ、ミライースに0.2km/リットル勝ったからって、試乗車のナンバープレートを燃費を示す「・302」で揃えなくても良いと思うが…。

低燃費の実現には、パワートレーン系のフリクション低減などを徹底して積み上げたほか、クルマが停止する前にエンジンが停止するアイドリングストップ機構を採用するなどしたとのこと。

それだけでなく、燃料タンクの容量を30リットルから20リットルに減らしたり、空気圧が280メガパスカルの超高圧タイヤを採用するなど、裏技に近いようなこともいろいろやっている。結果、アルトエコには良い点、悪い点がいろいろある。

良いのはまず普通に走って20km/リットルを切ることのない実用燃費。また価格についてもダイハツのミライースと横並びを意識した設定で、それなりに買い得感がある。

悪い点は騒音の大きさ。恐らく防音材などをケチッた部分があると見え、ロードノイズは大きいし、アイドリングストップから再始動するときの振動や騒音も大きい。

空気圧の高いタイヤを履くので乗り心地も決して良いとはいえない。ベースのアルトもあまり乗り心地の良いクルマではないので、大差がないといえばそうなのだが…。

乗る前には、燃費スペシャルを目指して作られたクルマなので、スカスカのエンジンとハイギアードなCVTと低転がりタイヤといった感じの合わせ技かと思っていた。

そんな思い込みからすれば、実際に乗ったクルマは比較的良くできていたが、不満点もいろいろあるのが実情だ。

アルトは低価格車という特徴を外すことのできないクルマなので、装備についても後席にヘッドレストレイントを装備していないなど、今どきのクルマとしては考えモノといった設定もある。

ヘッドレストレイントについて、ミライースの開発者からは「頑張って“なるはや”で改良します」という返事があったが、アルトエコの開発者からはそうした返事もなかったのは残念。

パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★
オススメ度:★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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