富士重工業は2月29日、軽商用車スバル『サンバー』の生産を停止し、全ての軽自動車の生産を終了したと発表した。
スバル車の生産は1958年、日本の国民車とされた軽自動車『360』からスタート、54年間にわたる軽自動車の生産に幕を下ろした。
軽自動車を生産してきた群馬製作所本工場(群馬県太田市)は3月以降、登録車生産工場にリニューアルし、トヨタ自動車との共同開発車であるスバル『BRZ』とトヨタ『86』を生産し、さらに2012年度中に『インプレッサ』の生産も開始する予定。
同社の軽自動車生産は、スバル360の後、『サンバー』、『レックス』、『プレオ』、『ステラ』など、54年間で延べ9車種、約796万8000台を生産した。スバルの軽自動車は乗用車、商用車ともに、4輪独立サスペンションや、軽自動車では3気筒が当たり前となっている中でも4気筒エンジンを継続、CVT(無段変速機)や4WDの展開など、登録車並みの機構や商品性が特長で、根強いファンを保ってきた。
29日の生産終了に先立ち2月28日に、同社社員、役員、OBなどが出席してサンバーの生産終了式典を実施した。式典で吉永泰之社長は「多くのお客様から惜しまれながら生産終了を迎える製品を持てたことは、メーカーとして大変幸せなこと」と述べた。
同社は2008年4月のトヨタ自動車とダイハツ工業との協力関係発展への合意を機に、水平対向エンジンなどのコア技術を活かす登録車の開発・生産に経営資源を集中することを決めて、軽自動車の開発と生産を縮小してきた。
軽自動車は引き続きダイハツ工業からOEM供給を受け、スバルブランドで販売する。