【トヨタ プリウスPHV】人工知能が司っているかのよう…金子浩久

エコカー EV
マイルーム機能の表示。充電中に、エアコン、オーディオなどの室内装備が利用できる
マイルーム機能の表示。充電中に、エアコン、オーディオなどの室内装備が利用できる 全 6 枚 拡大写真

『プリウスPHV』においては満充電することの意義は薄い。走れば電力が減るだけのEVに対して、PHV(HVも)は走行中に減った電気をすぐに取り戻すことができるのである。

タイヤを駆動するトルクと蓄電に回す電気の量を案分する制御ぶりが精緻で舌を巻いてしまう。

モニターに「走行可能距離988km」と表示され、目を疑ったが、ガソリンがなくなるまでに超長距離を走ることができるのである。

プラグインハイブリッドというと、コンセントにコードを差し込んで充電するプロセスが必須のように思っていたが、その必要はまったくなかった。これなら、自宅や勤務先に充電する設備がなくても何の問題もない。

「プラグイン」と呼ばれるとコンセントとケーブルが必須のように感じられるが、使用して感じたプリウスPHVの特性は、“自ら電気を生み出してEV走行を実現するハイブリッドカー”という側面だ。

そう思うと、想像は膨らんでいく。プリウスPHVのコンピュータがさらに精緻化され、バッテリーに飛躍的な進化がもたらされて蓄電量が増え、航続距離が伸びれば、ガソリンの消費量は相対的に低減されていく。

もっと進めば、発電するのはエンジンである必要さえなくなってくる。

例えばボディに貼り付けたソーラーパネルで発電した電気をバッテリーに蓄えて走ることもできるようになるかもしれない。そんな想像というか妄想を掻き立てられた。

プリウスPHVはフューチャリスティックなクルマだ。旧来的な“ジドウシャ”はドライバーが主役だったが、プリウスPHVはコンピュータが主役である。

「2001年宇宙の旅」で宇宙船ディスカバリー号を制御するHAL9000のようなものだ。

《金子浩久》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  2. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  3. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  4. 「内装は100点満点」フランス生まれの新型プレミアムハッチ『DS N°4』にSNS注目!「いい、凄くいい」の声
  5. セリカに次ぐ「リフトバック」採用のカローラは、50年経ってもスタイリッシュ【懐かしのカーカタログ】
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る