今夏の冷房節電と健康管理「両立に自信ない」3割

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節電が叫ばれた昨年の夏場、自宅でエアコンの冷房利用を控えましたか?
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 ダイキン工業とアイシェアは4日、「夏場のエアコン利用と健康管理に関する調査」の結果を公表した。調査期間は6月8~9日で、エアコンを所有する全国の20~70歳代の男女720名から回答を得た。

 この調査は、前編(冷房弱者)と後編(節電意識)と2回行われており、冷房をコントロールできない環境や節電環境において、さまざまな対策や健康管理の方法をどのように行っているのか、実態を調査したものとなっている。さらに熱中症の予防など、体温調整の専門家である横浜国立大学教育人間科学部の田中英登教授が調査結果を解析している。

 昨2011年の震災以降、生活者の節電意識が高まり、特に家庭のなかでは、消費電力の高いエアコンの節電が注目された。そこで、実際に昨年の夏、自宅でのエアコンの冷房利用を控えたか質問したところ、冷房が苦手な人(冷房弱者)で73.2%、普通に苦手でない人でも64.9%と、ほぼ7割の人が昨夏のエアコン利用を控えていた。

 そこでどのように控えたかを聞いてみると、さまざまな対策が挙げられおり、「利用時間の短縮」「設定温度を高めにする」がいずれも65%を超えていたが、政府が推奨する“28度設定”の実践者は3割にとどまっており、節電意識と実施内容に差が出る結果となった。

 また、昨夏の自宅でのエアコン利用控えでは、男女ともに97%もの人が暑さを感じており、「我慢する節電」であったことが伺える。比較的室内の温度が高めに設定されたことは、「冷房弱者」にとっては好ましい状況であったと予測したところ、調査結果からは意外にも「冷房弱者」の46.1%もの人が「暑かった」と振り返っている。自律神経の機能低下により暑さを感じにくくなっていることも考えられるため、熱中症などの注意が必要だ。

 実際に体調を崩した人はいたかどうかを確認すると、昨夏に自宅の冷房利用を「控えた」人のうち、利用制限により暑さで体調を「崩した」人は全体の9.2%だった。“冷房弱者”では9.7%とわずかに高い。これら体調を「崩した」人のうち、“もし暑さを我慢しなければ体調を崩さずに済んだ”と「とても思う」30.4%、「少し思う」63.0%と回答しており、合計93.5%が原因の1つは“暑さの我慢”であると考えていた。なお「今夏の“冷房利用制限”と暑さに負けない“健康管理”を両立する自信があるか」を尋ねたところ、33.6%が両立の自信は「ない」と回答。昨夏に体調を「崩した」人では56.5%と半数以上が、自信は「ない」と回答している。

 この結果を受け横浜国立大・田中英登教授は、「単純に温度だけで考えると28度は夏の温度としては快適ではない温度でしょう。服装にもよりますが、Tシャツ短パンくらいの服装で28度はちょうどいい気温です。温熱感覚は温度だけではなく、湿度、気流、輻射熱が身体への負荷の点で重要になってきます。28度でも湿度が低い場合や気流がある状況であれば涼しさを感じられます」とし、温度設定だけでなく、湿度や気流にも注意するようアドバイス。また暑さが“蓄積疲労”を貯めていき、夏バテを起こすことを説明したうえで、「夏場に2ヵ月も我慢し続けるのは体調を崩すもとです。“休肝日”ではないですが、週に一度は涼しいところで過ごす、“休暑日”のような、暑さから体を休める/和らげる日を作ることが必要です」とし、「個々人の身体の感じ方は一律ではないので、快適に過ごすためには、節電のなかで、どういうエアコンの使い方をすればいいのか、自分に合った夏の過ごし方と暑さ対策を自分のなかで作っていくことが大切です」と呼びかけている。

 なお、ダイキン工業では、調査報告のページ、エアコンの節電に関するページをサイトで公開中だ。

今夏の冷房節電と健康管理、「両立に自信ない」は約3割……“28度設定”や“休暑日”がカギ

《冨岡晶@RBB TODAY》

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