ワゴンRは、鈴木修会長兼社長の発案で1993年9月に初代が市場投入され、以来国内累計販売は377万台と、スズキの軽ではトップブランドとなった。新モデルは2008年9月以来4年ぶりの全面改良で5代目となる。
注目されるのは、4代目までは5年おきの全面改良だったものの、今回は4年に短縮したことだ。鈴木会長は「部品の共通化を考えた結果。従来の5年が4年になるだけでなく6年になることもある」と説明するものの、ライバルのダイハツ工業などに対抗する狙いが透けて見える。
燃費ナンバーワンとしたうえで早めに看板モデルを刷新し、「イーステクノロジー」で快走するダイハツや、『N BOX』シリーズで急速にシェアを回復させているホンダに立ち塞がる作戦だ。
鈴木会長は、昨年投入した軽2BOXで最高燃費の『アルトエコ』は「結局、フルモデルチェンジしなかったから不発になった」と、ダイハツ『ミライース』と差を詰め切れていないことに、反省の弁ももらした。4年で全面刷新の新型ワゴンRには、それだけ反転攻勢の思いが込められている。