【福祉機器展12】熊本の中小企業が製作したシニアカーはデザイン重視

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福祉機器展12 サンワハイテック「STAVI」3号機
福祉機器展12 サンワハイテック「STAVI」3号機 全 3 枚 拡大写真

熊本県菊池市に本社を置く中小企業、サンワハイテックはこれまでにないようなシニアカーを「国際福祉機器展(H.C.R2012)」に出品した。それは「STAVI」と名付けられ、デザイン性を重視した未来型の乗り物だ。

同社は20年前に設立された会社で、主に半導体製造装置の設計・製造・販売を行っていた。ところが、半導体市場は好不況の波が大きく、経営が安定しなかった。そこで、「自前の商品をつくって、第2の柱を育成する必要がある」(山下和貴社長)と、福祉機器の開発に取り組んだ。その際念頭に置いたのは、今までにない新しいもの。

そして3年間の開発期間を経て、ついに「STAVI」が完成した。「STAVI」とはスタンディング・ビークルの略で、立って乗ることができる。もちろん座っても大丈夫。高齢者の身体の状況に応じて、ハンドルの高さがスイッチ一つで自由に上下させることができるからだ。

「とにかくデザイン性を重視しました。やはり、乗り物は乗ってワクワク楽しめないといけませんからね。足腰の弱い人でも、そういう思いは強いと思います。先日、90歳のおばあさんに乗ってもらったら、非常に楽しいと喜んでいました」と山下社長は話す。

操作は非常に簡単で、ジョイスティックのみで前進、後進でき、方向転換はもちろんのこと、その場での旋回も可能だ。スピードも5段階に調整でき、最高4.5km/hとなっている。大きさは幅685mm、長さ1140mm、高さ1090mmで、重量は82kg(バッテリー含む)。8時間の充電で約20km走行できる。安全装置も付いていて、前方に障害物があると、1.8mの距離になるとセンサーが感知して警告、90cmになると自動的に止まる仕組みになっている。

発売は来年4月の予定で、価格は80万円。「当面は老人ホームなどの施設向けが中心で、個人向けは量産化できるようになってからと考えています。その場合は価格を半分ぐらいに抑えようと思っているところです」と山下社長。

これだけデザイン性に優れていると、高齢者以外の人も乗りたくなるに違いない。近い将来、さまざまな公共の場でこの乗り物を見ることになるかも知れない。

《山田清志》

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