パテントリザルトは、車両燃焼機関用のガスケット関連技術について、参入企業の競争力に関する調査をまとめた。
調査は、1993年から2012年12月末までに日本の特許庁で公開された関連特許1909件を対象に、個別特許スコアリング指標「パテントスコア」による評価を、現在と2006年末の2つの時点で実施し、特許の質と量から総合的に見た「特許総合力ランキング」を集計した。
結果は、1位 NOK、2位 米・FEDERAL-MOGUL、3位 日本メタルガスケット。また2006年から現在までの推移をみると、FEDERAL-MOGULが総合力を大きく伸ばしている。
1位のNOKは、総出願件数では142件と全体では3番目だが、有効特許は69件と最も多く、2011年から2年連続で総合力トップとなっている。同社の特許で注目度が高いものには、テーパ状溝底部にバックアップリングを備え、ゴム状弾性のシールリングの損傷を防止し、かつ加圧に対して優れた偏心追随性をもつ「密封装置」などが挙げられる。
2位のFEDERAL-MOGULは、2005年から出願件数が増加。2006年から現在までの総合力の推移をみると、58位から2位へと大幅に順位を上げている。同社の特許で注目度が高いものには、高圧力および高温度にも耐え、シリンダヘッドガスケット等に利用可能な「多層ガスケット」などが挙げられる。
3位の日本メタルガスケットは、低コスト化と共に、安定したシール性能を長期に渡って確保し、シリンダブロックとシリンダヘッドの間に好適な「金属ガスケット」などが、4位のトヨタ自動車は、高効率燃焼による高筒内圧力に対して、シリンダブロックとシリンダヘッドの間のシール性を確保する「シリンダヘッドガスケット」などが、5位の石川ガスケットは、異物が介在してもガスケットと共に挟着してシール性の低下を抑止する「金属ガスケット」などが注目度の高い特許として挙げられる。