航空機部品・エンジンメーカー調査、国内に195社判明…下請けは745社

航空 企業動向

帝国データバンクは、航空機部品・エンジンの製造を手がける主要部品メーカーと、その下請メーカーを抽出(防衛関連含む)して国内の航空機産業を支える中堅・小規模企業の実態を分析した。

調査は大手重工系の三菱重工業、川崎重工業、IHI、富士重工業の4社を除いた。

調査結果によると航空機の主要部品メーカーは全国に195社で、このうち「エンジン」製造は26社、「機体・パーツ」製造が169社となっている。こうした企業と直接取引のある、下位部品・素材等の製造を手がける下請メーカーは、全国に745社で、このうち「エンジン」が55社、「機体・パーツ」が690社あることも分かった。多分野に渡って裾野の広い産業だが、最高水準の安全性・品質が求められる航空機部品産業の中核を担うメーカーは、国内に940社存在している。

2011年度の売上高合計を見ると、主要部品メーカーでは4315億6800万円となり、前年度比9.0%増となった。下請メーカーでは9325億0500万円となり、同5.1%の増加となった。

増収の背景は、ボーイング787やエアバスA380など新型旅客機の生産が本格化し、各種部品の需要が高まったためと見られる。

2010年度、2011年度の2期連続で業績が判明した主要部品メーカーのうち、2011年度業績が「増収」となった企業は100社で全体の56.5%判明し、「減収」の41社を大幅に上回った。損益では78社、全体の75.7%が「黒字」で、受注増などもあって好調な業績を示している。

下請メーカーでも、2011年度業績で「増収」が412社で構成比は57.1%、「黒字」が419社で77.9%を占めた。

地域別に見ると、主要部品メーカーでは「中部」が80社で最多。「関東」が73社、、「近畿」が27社と続いた。下請メーカーは「関東」の286社が最も多く、「近畿」が198社、「中部」が169社で3大都市圏への企業の集中が顕著だった。

航空機部品メーカーを売上規模別に見ると、主要、下請ともに「1~10億円未満」のレンジが最も多く、それぞれ102社、432社となっている。下請メーカーの「1億円未満」の構成比は9.5%にとどまるなど、相対的に小規模企業が少ない。

従業員規模別では、主要、下請ともに「10~50人未満」が最多で、それぞれ69社、380社となった。

業歴別に見ると、主要、下請ともに「50~100年未満」が、それぞれ75社で全体の38.5%を占めた。主要部品メーカーでは、業歴100年を超える企業はなく、戦前(1944年以前)の創業も13社にとどまっている。一方で、取扱品の専門性が高く、高い水準の技術力・実績が必要な分野であるため、業歴が10年に満たない新興企業は少ない。

下請メーカーが主業としている業種を見ると「機械・同部品製造修理」が58社で最多。以下、「製缶板金」の44社、「金属プレス製品製造」の36社が続く。

その他では、中部地域を中心とした「自動車部品製造」の28社や、客室内装品に使われるプラスチック部品などを扱う「工業用樹脂製品製造」の17社などが上位に入っている。

《レスポンス編集部》

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