2013年ダイヤ改正のポイント…副都心線関連・関東私鉄編[写真蔵]

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東京メトロ 新木場CR メトロ直通 東急・東武・西武車両
東京メトロ 新木場CR メトロ直通 東急・東武・西武車両 全 41 枚 拡大写真

関東の私鉄各社では、2月から3月にかけてダイヤ改正が実施される。注目される東京メトロ副都心線と東急東横線の直通化で、首都圏ダイヤにどんな動きがあるか。前回のJR編に続き、日本の鉄道路線全線を完乗した小関秀彦氏(鉄道ジャーナリスト)に、そのポイントを聞いた。

「大きな動きとしてまず、東京メトロ副都心線と東急東横線の直通運転開始にともなう列車体系の変化でしょう」と小関氏。「東武、西武、横浜高速の各社にも波及する大がかりなものとなる今回の改正は、ユーザーの多くが注目しているところでしょう」という。

都心を南北に縦貫する新たなルートの誕生。

「3月16日土曜日、東急東横線の渋谷~代官山間の地下化工事の竣工により、東横線のターミナルは現在の副都心線渋谷駅に移転します。同時に、東横線と副都心線の相互乗り入れが開始され、東横線と乗り入れている横浜高速鉄道みなとみらい線、副都心線と乗り入れている東武東上線、西武池袋線を含む5社間による相互乗り入れが開始されます。つまり、西武池袋線の飯能、東武東上線の森林公園と横浜高速鉄道の元町・中華街が直結し、首都圏の交通地図が塗り替えられるほどの大きな変化となります」

京浜東北線などと同様に10両編成に、日比谷線・東横線直通列車の消滅。

「東横線から副都心線には特急、急行の全列車と半分以上の各駅停車が乗り入れ、両線は一体的な運行体系となります。副都心線から東横線に乗り入れてくる列車のうち、東横線内で特急、急行となる列車は東横線では初となる10両編成が充当されます。改正前(現在)は東横線は8両編成で運転されていました。いっぽうで、この直通化の影で、東京メトロ日比谷線と東急東横線の、およそ50年にわたる相互乗り入れが消滅します」

列車種別が2回変わる最速達列車の誕生、横浜から西武球場への臨時列車も。

「東京メトロ副都心線の新宿三丁目からは渋谷・東横線方面への折り返し列車が新設され、渋谷~新宿三丁目間のデータイムの運転本数は1時間あたり12本から14本に増発されます。西武鉄道では、副都心線乗り入れ列車をこれまで通り速達列車(「急行」「準急」)としますが、一部は「快速急行」となります。

この快速急行は、副都心線内では「急行」、東横線内では「特急」となる最速達列車と位置づけられ、区間によって列車種別が2回変わるというのも話題になりそうです。また、西武ドームのプロ野球開催日には、元町・中華街~西武球場前間の臨時列車も運転されるようになります。さらに、西武鉄道ではこの改正で特急「小江戸」の東村山駅停車や、拝島線の朝の優等列車が一部を除いて10両編成に統一されます」

東上線に新種別「快速」、日比谷線直通列車が北へシフト。

「東武東上線では、副都心線乗り入れ列車の種別をこれまで通り「普通」とするものの、池袋と小川町の間に新種別の「快速」が新設され、「快速急行」の下位、「急行」の上位に位置づけられます。また、東武伊勢崎線では快速・区間快速の全列車がとうきょうスカイツリー駅に停車するようになります。さらに、東京メトロ日比谷線との相互直通運転列車の起点が東武動物公園からさらに北方の、南栗橋に変更されます」

小田急は地下化がすすみ、踏切解消へ。

「いっぽうで、小田急では3月23日に東北沢、下北沢、世田谷代田の3駅の地下駅化完了にともなう小幅な改正が実施されます。代々木上原と世田谷代田の間を走る一部列車の発着時間が1分程度変更になります。また、特急「あさぎり」も、乗り入れ先となるJR御殿場線のダイヤ改正に連動して運転時間が一部変更されます」

次回は、関西の私鉄について小関氏に聞く予定だ。

《レスポンス編集部》

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