東武スカイツリー駅改称1周年…沿線キャラクターが勢ぞろい

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とうきょうスカイツリー(旧・業平橋)駅の改称1周年記念式典で勢ぞろいした沿線自治体などのキャラクターたち。
とうきょうスカイツリー(旧・業平橋)駅の改称1周年記念式典で勢ぞろいした沿線自治体などのキャラクターたち。 全 18 枚 拡大写真

東武鉄道は3月16日、伊勢崎線(東武スカイツリーライン)とうきょうスカイツリー駅の駅名改称1周年記念式典を開催した。式典では東京スカイツリー公式キャラクターの「ソラカラちゃん」のほか、沿線の自治体や観光施設などのキャラクターが勢ぞろいし、改称1周年を祝った。

とうきょうスカイツリー駅の歴史はひじょうに複雑だ。東武初の鉄道路線である伊勢崎線北千住~久喜間の開業から3年後の1902年、都心側の吾妻橋~北千住間が延伸開業。伊勢崎線の新たなターミナルとなった吾妻橋駅が、現在のとうきょうスカイツリー駅と同じ場所(現在の東京都墨田区)に設置された。

しかし、2年後の1904年、亀戸線亀戸~曳舟間が開業し、同線を介して総武鉄道(現在の総武本線)の両国橋(現在の両国)~亀戸間に乗り入れるようになったことから、東武のターミナルは両国橋駅に変わり、吾妻橋駅も同年4月に廃止された。

ところが、1908年には吾妻橋駅が貨物駅として再開業。都内有数の繁華街である浅草の中心部に比較的近いことから、1910年には駅名を「浅草」に改称して旅客列車も乗り入れるようになり、再び東武のターミナルとして機能するようになった。

ただ、浅草の中心地からは1kmほど離れている。東武は引き続き浅草中心部への乗り入れを計画し、1931年に浅草雷門(現在の浅草)駅が開業。同時に従来の浅草駅を「業平橋」に改称し、ターミナルの地位を浅草雷門駅に譲った。

業平橋駅は中間駅となったが、車両基地が隣接していたことから業務上の中枢であり続け、貨物列車の都心側ターミナルとしても機能した。また、1990年には貨物施設の敷地を一部活用した10両編成対応の旅客列車用ホームと、業平橋駅にほど近い都営浅草線・京成押上線の押上駅に連絡する地下通路を整備。これにより業平橋発着の通勤列車が多数運転されるようになり、都営浅草線を介して都心にアクセスできるサブターミナルとなった。

ところが、1993年には貨物列車の乗り入れが終了。さらに2003年には、現在の東京地下鉄(東京メトロ)である帝都高速度交通営団(営団地下鉄)の半蔵門線水天宮前~押上間が延伸開業し、東武も半蔵門線と伊勢崎線を接続する連絡線を押上~曳舟間に整備して相互直通運転を開始した。この結果、それまで業平橋発着だった列車が全て半蔵門線直通となり、業平橋駅は再びターミナルの地位を失った。

その後、新しい電波塔(東京スカイツリー)を中核施設とする複合商業施設「東京スカイツリータウン」を業平橋駅の貨物施設跡地に整備することになり、東武はスカイツリータウンの認知度向上などを目的に業平橋駅の改称を計画。2012年3月17日、現在の「とうきょうスカイツリー」に改称し、同時に実施されたダイヤ改正で一部の特急列車がとうきょうスカイツリー駅に停車するようになった。

これと並行してリニューアル工事も実施され、同年4月20日に完成。コンコースの拡大や改札口の増設を図ったほか、改修前のホームの屋根骨組を活用した膜屋根を採用するなど、斬新なデザインをもった駅に生まれ変わった。

東武は「スカイツリー観光」の拠点として、とうきょうスカイツリー駅の利便性向上に引き続き力を入れている。1周年記念式典に合わせて実施されたダイヤ改正では、浅草駅を10時以降に発車する全ての下り特急列車がとうきょうスカイツリー駅に停車。それまで同駅を通過していた快速、区間快速も全ての列車が停車するようになった。

記念式典には、東武の中島健三専務取締役と椎木誠とうきょうスカイツリー駅長のほか、「ソラカラちゃん」や栃木県の「とちまるくん」、日光市の「日光仮面」、群馬県館林市の「ぽんちゃん」、太田市の「おおたん」などキャラクター16体が参加した。東武と相互直通運転を行っている野岩鉄道(栃木・福島県)の「やがぴぃ」や、桐生線相老駅で接続しているわたらせ渓谷鐵道(群馬・栃木県)の「わ鐵のわっしー」も参加し、全員でくす玉を割った。

また、とうきょうスカイツリー駅に隣接する東京スカイツリータウン4階のスカイアリーナではダイヤ改正記念イベントが開催され、東武沿線の自治体や施設による観光ピーアールや観光パンフレットの配布、名産品などの販売が行われた。

《草町義和》

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