【レクサス IS プロトタイプ 試乗】GSとクラウンの良いとこ取り…松下宏

試乗記 国産車
レクサスISプロトタイプ
レクサスISプロトタイプ 全 16 枚 拡大写真

レクサス『IS』の次期モデルの発売が近づいた。発表を前にプロトタイプ車の試乗会が箱根ターンパイクを借り切って行われた。

【画像全16枚】

プロトタイプ(試作車)とはいえ、既に発売直前の時期。ほとんど市販車レベルのクルマと考えて良いようだ。

新型ISは『GS』と共通のプラットホームを採用し、GSと同じ2.5リッターと3.5リッターのV型6気筒エンジンを搭載する。異なるのはハイブリッド車で、レクサスで唯一ハイブリッド車のなかったISには、GS用とは違う直列4気筒2.5リッターエンジン+電気モーターのハイブリッド車が新設定された。

新型クラウンに搭載されたのと同じハイブリッドシステムで、GS450hに対してIS300hとなる。なので新しいISはGSとクラウンから良いとこ取りをしたようなクルマである。

ボディサイズの拡大やホイールベースの延長によって室内空間が広がった。でも全幅が10mm拡大されて1810mmになったことには日本市場への配慮が感じられない。クラウンでさえ1800mmで踏みとどまっているのに、だ。

いずれにしてもフルモデルチェンジを重ねるごとにボディを大きくしていくことには基本的に反対である。むしろボディを小さくしながら室内空間を拡大するような技を見せてほしい。

先にフルモデルチェンジしたGSは走りのパフォーマンスの面では相当に良くできたクルマであり、それを受け継いだISも同様に良くできている。

最も好印象だったのはIS350“Fスポーツ”で、IS350にだけ8速ATが組み合わされるほか、シャシーもLDHが採用されるなど、引き締まった走りを見せるからだ。ターンパイクのような高速コーナーが連続するシーンではとても楽しく乗れるクルマだった。

可変ダンパーや可変ステアリング、更にLDHという具合に、トヨタ(レクサス)の最新のシャシー技術を盛り込んで作られたモデルであるだけに、安心して楽しく速く走れるという点でイチ推しのグレードである。

IS250にも乗ったが、こちらは価格の安い(といっても具体的な価格はまだ発表されていないが)ベースグレードという意味しか感じられなかった。リーズナブルな性能と価格のモデルではあるものの、IS350に比べると動力性能でもシャシー性能でも見劣りするからだ。

V型6気筒エンジンを搭載するガソリン車でどちらが良いかを比較したら、IS250よりIS350の方が圧倒的に良いと断言できる一方で、IS350を含めてガソリン車は存在意義が薄いと言わざるを得ない。

というのは、具体的な燃費はまだ公表されていないが、ISのガソリン車はGSと同様にエコカー減税の対象にならないらしく、全くもって今どきのクルマらしくないからだ。早期にアイドリングストップ機構を搭載するなどしてガソリン車の燃費の向上を図るべきだ。

ISの事前予約でハイブリッド車が60~70%を占めているという。免税となるハイブリッド車と減税なしのガソリン車とでは、損得勘定で20万円以上の違いがあるのだから、多くのユーザーがハイブリッド車を選ぶのは当然である。

ISに初めて搭載するハイブリッドというだけでなく、これまでヨーロッパ向けに設定していたディーゼルを廃止してヨーロッパでもこのハイブリッドで挑むという。その意気込みは良いが、ディーゼルに勝つところまで行けるかどうか。

搭載エンジンが4気筒であることは、振動や騒音の面で不利になる要素ながら、実際に走らせてもその不利はほとんど感じられない。4気筒という先入観を持って乗るので多少の振動や騒音が気になるが、何も聞かずに走らせたら4気筒であることは気にならないくらいに良く仕上がっている。

強いて言えば、電気式無段変速機の走りがATなどに比べるとダイレクト感に欠ける感じがある。このことはスムーズな変速フィールとして逆に長所として考えることもできる。

IS300h“Fスポーツ”に乗ってドライブモードをいろいろと試しながら走らせたら、メーターの色が変わり、パワートレーンのレスポンスが変わり、ステアリングやシャシーなどが変わった。モードの違いによるメリハリもそれなりに効いている。

スポーツやスポーツ+を選んで走れば、パワートレーンのレスポンスが良くなって素早く力強い加速が得られるようになる。このモードなら無段変速機に対する不満もなくなるから、ふだんはエコモードで走り、その日の気分によってスポーツモードなどを選べば良い。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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