90年目を迎えたルマン24時間耐久レース、トヨタを従えてアウディ『R18 e-tronクワトロ』2号車が栄光のチェッカー・フラッグを受けた。ドライバーのクリステンセンは自己の持つルマン最多勝記録を更新する9度目の栄冠となった。
終わってみれば中盤からトップを独走し、2位のトヨタ『TS030ハイブリッド』を寄せ付けない文字通りの横綱相撲。目まぐるしく変わる天候と、スピン続出でセーフティカーが何度も入る展開にもかかわらず、動揺を見せることなく走りきった。
アウディAGのルペルト・シュタトラー社長は「アウディにとって12回目のルマンの勝利となった。それはエンジニアリングの革新の精神と一体となったチームの団結力、そして強靱な精神力を持つドライバーによるものだ。アウディチームの全員におめでとうと言いたい」とチームをたたえる。
アウディ・モータースポーツのヘッド、ウォルフガング・ウルリッヒは「今年のレースはレギュレーション的にも我々にとっては非常な困難だった。トヨタは強力なライバルであることは認識していたが、われわれのR18 e-tronクワトロは勝利をものにしてみせた。この勝利のために何ヶ月も働いてくれたチームのみんなに感謝したい」と述べた。
高速での燃費勝負に持ち込みたかったトヨタには苦しいレースとなった。オープニングからの相次ぐセーフティカー・ランで持ち味を生かすことが出来なかった。それでもわずか1ラップ・ダウンでの2位は称賛に値しよう。