小笠原航路の高速船計画を推進していたテクノ・シーウェイズが破産

船舶 企業動向
テクノスーパーライナー
テクノスーパーライナー 全 3 枚 拡大写真

小笠原航路の高速船計画を進めるため設立されたテクノ・シーウェイズは、東京地裁に破産を申請、7月10日に破産開始決定を受けたことが明らかになった。

破産管財人は伊藤尚弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所)が選任された。負債総額は債権者6人に対して約150億円。

同社は当初、三井造船の100%出資で、国や東京都も関与して計画が進められた東京~小笠原父島間を結ぶ新型超高速船テクノスーパーライナー(TSL)の保有・リースを目的に設立された。その後、政府系金融機関や民間企業数社からも出資を募り、現在は三井造船の出資比率は30.5%にまで下がっている。

TSLは、官民連携のもとで開発が進められ、三井造船が建造。小笠原航路での導入を検討し、時速70キロでの高速運行が可能で、就航により東京~小笠原間の所要時間は従来の26時間半から16時間への短縮が見込まれていた。

しかし、航路運行を予定し傭船契約を結んでいた小笠原海運が燃料高騰など採算面の悪化を理由に、2005年に運行契約を見合わせたことから計画は事実上頓挫、本格稼動には至らなかった。

TSLは2005年に総工費約115億円をかけて完成していたが稼動することはなかったが、東日本大震災の際、宮城県石巻港に停泊し食事、シャワーなど被災地支援にも利用されたことで話題となった。

その後、TSLを保有していた三井造船は2012年3月に、解体を前提に他社に売却していた。

債権届出期間は8月14日までで、第1回債権者集会は10月21日午後3時から。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  2. トヨタ RAV4 新型の価格は390万~630万円と予想…電動グレード体系に再編
  3. トヨタ RAV4 新型の競合は? 価格帯別にライバルを予想する
  4. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
  5. メルセデスベンツ『ウニモグ』、低床仕様登場…荷台高1200mm以下で作業効率向上
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  3. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  4. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る