7月31日から路線バスとして運行を開始したウィラー。同社の新宿ターミナルでは、初便にあわせて出発式が行なわれ、9時00分発のS109便(新宿→大阪)が定刻で出発した。
同便で新宿から京都へ旅立った20代のユーザーは、「いつも利用しているけど、路線バスといわれても何が変わったか、よくわからない」と話す。
ツアーバスから路線バスへ。その変化が実感できる意外なツールがあった。同社が発行する手のひらサイズの時刻表だ。
ウィラーの「高速バス時刻表 2013.07.31→09.30」は、ツアーバス時代と同じサイズで、その時々のニュースやバラエティ豊かなシートの紹介が前半に掲載されているあたりは、従来とほとんど変わらない。
しかし、路線図と時刻表の中身を見て、「変わった」と実感する。
それはJRや私鉄が発行する鉄道の時刻表に似ている。東京を中心に目的地エリアごとに色分けされた路線図のあと、各便の発着時刻が縦に並ぶ時刻表が続く。
例えば、「関東→関西」のページ。1日に出発する全便が見開きで掲載されていて、わかりやすい。数えると、昼行が2便、夜行が16便とすぐにわかる。
途中の停車地もひと目でわかる。東京スカイツリー21時20分発、大阪梅田8時20分着の夜行K152便は、甲府駅に1時20分に停車する。東名自動車道ではなく、中央自動車道を経由することがわかる。同様に、夜行K6122便は彦根駅に5時30分に止まるから、東名阪自動車道経由ではなく、名神高速道をまわることがわかる。
これまでのあいまいだったツアーバスと違い、こうした情報が明確に表示されるようになった。同社が2001年に東京と大阪を結ぶ高速ツアーバスの運行を開始してから12年。路線化へ向けて改良が施されたピンクのバスの前面LEDには、「京都経由大阪」と具体的な行き先が表示されていた。