米国全土で旅客列車を運行する全米鉄道旅客公社(アムトラック)は8月14日、今年7月の利用者数が前年同月比4.8%増の290万8000人となり、ひと月当たりの利用者数としては1971年の発足以来、最高を記録したと発表した。
運行区間別に見ると、ワシントンDC~ボストン間の北東回廊線が2.7%、大陸横断などの長距離列車が3.2%、各州の補助を受けるなどして運行する短・中距離列車が6.8%、それぞれ前年同月比で増加した。
最も増加率が高かったのは、短・中距離に分類されるイリノイ州シカゴ~ミズーリ州セントルイス間の「リンカーン・サービス」で、利用者は前年の3万8300人から73.3%増え、6万6400人となった。長距離列車ではニューヨーク~シカゴ間の「カーディナル」が1万1200人で、19.3%増加した。
米国では都市間輸送を中心に鉄道の需要が高まっており、2012年度のアムトラックの利用者数は3100万人を超え、過去最多を記録した。本年度(2012年10月~)の7月までの利用者数は前年度の同時期を1.1%上回っており、アムトラックはこのままのペースで進めば昨年度を上回る可能性もあるとみている。