【GARMIN Edge510 インプレ後編】タッチスクリーンで操作性改善、スマホ連携も実現

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Edge510の設定でブルートゥースを有効にする。この画面ではすでにスマートフォンと接続している。
Edge510の設定でブルートゥースを有効にする。この画面ではすでにスマートフォンと接続している。 全 26 枚 拡大写真

GPS付き多機能サイクルコンピュータの定番モデル『Edge500』がモデルチェンジし、『Edge510』へと進化した。インプレ後編では実際の使用感についてレポートしたい。

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スマホを(敵ではなく)味方につける

スマートフォンのアプリでGPS付きのサイコンとして使えるものがいくつかリリースされており、人気を博している。こういった「スマホサイコン」は外部センサーが基本的に使えず、バッテリーライフも短いなど、Edgeシリーズと比べれば簡便な代替手段にすぎない。しかし、スマホならではのアドバンテージがあるのも事実で、その最たるものがインターネットに常時接続されているネット環境だ。

スマホサイコンでは記録したデータはそのままクラウドにアップロードされるのが当たり前。いちいちデータをパソコンにダウンロードしたり、サイコン本体内のストレージの空き容量を気にする必要はない。これに慣れてしまうとサイコンをいちいちケーブルでパソコンにつなぐのが非常に面倒に思えてくる。

ネット環境という面ではEdgeシリーズは逆立ちしてもスマホに勝てなかったわけだが、Edge510ではブルートゥースを新たに搭載することでこの弱点を解消した。ライバルだったスマホを味方につけることでネット環境を手に入れたのだ。GARMINから無料のスマホ用アプリ(iOS/Android)として(Garmin Connect Mobile:ガーミンコネクト モバイル)がリリースされており、これをEdge510と組み合わせることにより、Edge510はネット環境を手に入れることができる。

これによって走行データは特別な操作をすることなく、自動的にGARMINのクラウドサービスであるGARMINコネクトにアップロードされる。従来ならトレーニングから帰ってきたら自転車からEdgeを取り外し、部屋に戻ってパソコンと接続。Garmin Connectにアクセスしてデータをアップロードするという手順が必要だった。しかし、Edge510ならトレーニングから帰ったら手ぶらで部屋にもどり、パソコンでGarmin Connectにアクセスすれば、もうデータがアップロードされているということになる。

もっと言えば、部屋に戻る必要さえない。無料アプリのGarmin Connect Mobileでパソコンと同じようにGarmin Connectのデータを閲覧できるからだ。

◆ 自分の走行をリアルタイムにネットで公開、Edge510のディスプレイに天気予報も表示できる

ネット環境を手に入れたEdge510はそれを活かしたいくつかの機能を搭載している。まず、ディスプレイ上に天気予報を表示できる。現在の天気と1時間ごとの天気予報で気温、降水確率、風向きと風速が表示されるようになっており、走行中でも簡単に確認可能。長距離を走るツーリングでは役に立ちそうだ。

もうひとつ、非常に興味をそそる機能がライブトラック機能だ。これは自分が走っている場所をインターネットでリアルタイムに公開できるという機能。そんなに目立ちたがりではないと思う人が多そうだが、これはアイディア次第で色々使える。例えば2台以上でツーリングをするときには、各自がスマホでほかのメンバーの位置を確認できるのでペースがバラバラでも逸れる心配がない。

閲覧できるのは現在位置と走行軌跡だけではなく、平均速度や走行距離、標高差も表示される。トレーニングならコーチが選手の走りをリアルタイムにモニターして的確な指導や安全確保に役立てることが可能だ。

ライブトラックは高度な機能でありながら使い方は非常に簡単で、スマホのGarmin Connect Mobileでこの機能をメニューから選ぶだけでいい。この時、自分の位置を表示するWebページのURLをツイッターやFacebookに投稿したり、メールでURLを送ることができる。

◆みちびきやGLONASS対応でGPSによる測位精度は更に向上

注目の機能をひと通り紹介したところで、そのほかの機能についてもおさらいしておこう。Edge510はサイコン本体とハートレートセンサー、ケイデンス/スピードセンサーをセットにした製品。本体内のGPSレシーバー、温度センサー、気圧高度計と合わせて、現在位置、温度、高度、心拍数、ケイデンス、速度を計測することができる。また、これらのデータから消費カロリーを計算して表示したり、走行軌跡を記録することができる。

GPSについては米国のGPSに加えて、日本独自の測位システムを構成する準天頂衛星「みちびき」、ロシア版のGPSといえる「GLONASS」にも対応。GPSのみによる測位よりも精度が上がり、林の中やビルの谷間など上空が開けていない悪条件でも測位不能になる可能性が少なくなっている。

ここまでに紹介した以外の機能は従来モデルと同様だ。信号待ちなどで停止すると計測を止める自動ポーズ、心拍数やケイデンスが設定した範囲を超えると警告を発するアラート機能、仮想のライバルと画面上で競争ができるバーチャルパートナー機能などが主なところ。パワーメーターだけは別売オプションだが、それ以外のサイコンに求められる機能は網羅しているといっていいだろう。

◆新マウントで装着の自由度アップ

実際に使ってみた。まず取り付けについてだが、ケイデンス/スピードセンサーは従来と同じ。本体の取り付けは従来のマウントにプラスして、新しいタイプのマウント、アウトフロントマウントが付属している。これはハンドルバーから前方にオフセットしてEdge510を取り付けることができるなかなかのすぐれものだ。ディスプレイを見るときに視線の移動が最小限に抑えられるし、見やすい角度に調整するのも簡単。ハンドルバーにライトなどがあって場所が確保できない場合でも、このマウントなら1センチほどの隙間があれば取り付けできる。

続いて各種の設定をするのだが、タッチスクリーンのおかげでその操作は快適そのものだ。従来モデルのEdge500は両サイドにボタンが4つあってこれですべての操作をするのだが、このボタンは押し間違いをしやすく、しかも硬くて押しにくいものだった。それに比べてタッチスクリーンは複雑な設定も簡単にできる。

いよいよ走行開始だ。ここでまた1つ驚くことがあった。電源を入れてからGPSを補足し、走行準備完了となるまでが非常に速い。従来モデルではEdge500でもEdge800でも10~30秒ほどかかっていたが、Edge510は数秒で終わる。みちびきやGLONASSに対応したからなのか、あるいはソフトウエアの改良によるものかわからないが、これは地味ながらかなり嬉しいことだ。

走りだしてからは意図的に頻繁に操作してみたが、やはりタッチスクリーンは使いやすく、走行中でもかなり複雑な操作ができる。ちなみに、このタッチスクリーンはスマートフォンに使われる静電容量式とは違う感圧式。ややレスポンスが鈍く、強めに押す必要があるが、それゆえに走行中でも操作ミスがなく使いやすい。

ただ、もう一つのディスプレイの改良点、カラー化については、あまりいい印象がなかった。というのも、カラー化の弊害なのか、コントラストが少し低く、晴れた屋外では見にくい場合があるのだ。従来モデルのEdge500のモノクロディスプレイはどんなコンディションでもカチッと気持ちいい表示だっただけにやや残念。もっとも、上位モデルのEdge810のカラーディスプレイも同程度の視認性だし、実用上問題になるほど見にくいわけではない。

◆完成度の高いネット連携機能、Garmin Connect Mobileは使い心地良好

他の機器との接続やインターネットが絡む機能というのは最初の設定が面倒だったり、うまく通信できないなどのトラブルがつきものだ。しかし、実際に使ってみたところ、Bluetoothの接続からへのデータアップロードまで、一度もつまずくこと無くすべて一発で成功した。その安定感からUIに至るまで、最初から完成度が高いと感じさせる。

Garmin Connect Mobileの使い心地も非常にいい。完璧に日本語化されているし、データのアップロードだけでなく、あらかじめ作成しておいたコースやワークアウトをEdge510に送信することもできる。消費電力の少ないブルートゥーススマートを採用しているためか、スマートフォンのバッテリーの消耗もさほど大きくなかった。

ところで、Garmin Connectにはほかのユーザーの投稿したコースを検索し、ダウンロードする機能があるのだが、Garmin Connect Mobileはこの機能に対応していない。これはぜひ対応してほしいところ。ほかにも「こんなことができればいいのに」と思うことはいくつもあって、例えばEdge510の設定や各種操作をスマートフォンで行う事ができれば便利そうだ。Garmin Connect Mobileはよくできたアプリではあるが、あえて機能を抑えている印象もなくはない。もっとアイディアを効かせて機能を増やすバージョンアップを期待したい。

《山田正昭》

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