マレーシアの野党連合・人民同盟(PR)は10月24日、2014年度予算案の対案を正式発表した。与党政府が予定している物品・サービス税(GST)導入の代わりに国防関連備品調達を抑制することで、少なくとも35億リンギの予算カットが可能としている。
予算案対案発表会見には、人民正義党(PKR)顧問のアンワル・イブラヒム元副首相、民主行動党(DAP)顧問のリム・キッシャン氏、汎マレーシア・イスラム党(PAS)のアブドル・ハディ・アワン党首が同席した。政府は25日に予算案を発表する予定で、これに合わせ野党も同日、対案を下院議会に提出する。
歳入を増やし歳出を減らすことで、国内総生産(GDP)に占める財政赤字比率を3.2%に縮小する。国民生活を守るため、食品や住宅、教育などの物価上昇の監視に重点を置く。砂糖やコメなどを中心に自由化を進め、価格統制度の効率化を図る。首都圏やジョホールバル、ペナンなどで上昇している住宅価格の冷却化を図る。これに伴い不動産利得税(RPGT)を2007年時点の水準に戻す。2018年までに世帯収入を4,000リンギに引き上げることを目指す。
GSTについては、中・低所得者層の税負担が高所得者層より重くなるため見送り、代わりに間接税や税外収入といった方法を通して連邦政府の収益基盤を多様化するためのイニシアティブを提案するとしている。この一環として金融資産売却の際に生じる利益に対するキャピタルゲイン税(CGT)の導入を目指す。RPGT見直しに加え、印紙税を現在の1-3%から5%に引き上げる。