JR東日本、「こまち」脱線事故の再発防止策まとめる…防雪柵を設置

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奥羽本線神宮寺~峰吉川間で工事が進む防雪柵。線路内の吹きだまりを防ぐ。
奥羽本線神宮寺~峰吉川間で工事が進む防雪柵。線路内の吹きだまりを防ぐ。 全 2 枚 拡大写真

奥羽本線で発生した秋田新幹線『こまち』脱線事故についてJR東日本は11月15日、再発防止に向けた今冬の対策を発表した。

事故は3月2日16時過ぎ、奥羽本線神宮寺~刈和野間(秋田県大仙市)で発生。東京発秋田行き『こまち25号』の運転士が異音を感知したことから列車を停止させて確認したところ、先頭車の前台車全2軸が脱線していた。乗客約130人と乗務員にけがはなかった。

事故現場周辺は当時、激しい吹雪に見舞われており、線路内に積もった雪に突っ込んだことが脱線の原因と見られている。こうしたことから同社は、神宮寺~峰吉川間の2カ所に吹きだまりを防ぐ防雪柵を設置することにした。

あわせて除雪体制も変更する。事故現場を含む奥羽本線大曲~秋田間は、在来線列車用の軌間1067mm(狭軌)の線路のほか、新幹線列車乗り入れ用の軌間1435mm(標準軌)の線路も設置されており、一部の区間では3本のレールの組み合わせによって新幹線列車と在来線列車の両方が走行できる3線軌条を採用している。3線軌条の除雪幅は従来、狭軌中心位置から約2.3mとしていたが、今後は標準軌中心位置から3mとし、除雪幅を最大で約90cm拡大する。

また、積雪により列車の運行が困難になることが予想される場合は、一時的に列車の運転を取り止めて除雪を行う。そのための判断の目安となる速度を新たに設定し、新幹線列車が在来線に乗り入れている区間で試行する。このほか、定点カメラを設置し、その画像情報が列車運行や除雪実施の判断に活用できるかどうかなどの検討を行う。

《草町義和》

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