【東京モーターショー13】ボッシュのオートモーティブクラウドが示唆する可能性

自動車 テクノロジー 安全
ボッシュ取締役会メンバー 自動車機器テクノロジー統括 ヴォルフヘニングス・シャイダー氏
ボッシュ取締役会メンバー 自動車機器テクノロジー統括 ヴォルフヘニングス・シャイダー氏 全 7 枚 拡大写真

ボッシュ取締役会メンバー 自動車機器テクノロジー統括 ヴォルフヘニングス・シャイダー氏は、21日のプレスブリーフィングにおいて、サプライヤーとしてのボッシュが今後キーとするテクノロジー領域についてのプレゼンテーションを行った。

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まず、グローバルでの部品サプライヤー市場について、「世界の自動車生産の伸び率が3%という中で、ボッシュの自動車機器テクノロジーセクターでは+5%を超える売上高での成長が見込まれており、とくに新興国の多いアジア太平洋地域での伸びが顕著です。」と総括し、この中で同社が今後重要となる戦略ポイントとして、すべて車の安全性や快適性、環境性能に寄与する電動化、自動化、ネットワーク化の3つのテクノジー領域を挙げた。

車両の電動化の波は、さまざまなハイブリット方式やEVに対応するソリューションをも同時に生み出す。同社では、48Vのブースト回生システム(BRS)からPHV、ポルシェ『パナメーラ』のEVシステムまで幅広く電動制御に対応していくとした。

自動化は、電動化技術をベースに自動駐車アシスト、渋滞アシスト、高速道路でのオートクルーズ(合流や車線変更)といった技術を実現するセンサー、アクチュエーター、コントローラーなどを開発、投入していく。バッテリーそのもについては、GSユアサ、三菱商事らとともに、引き続き次世代リチウムイオンバッテリーの開発を進めていくことも述べた。

ネットワーク化は、クラウドによる車両のネットワーク化を進めることだとした。ボッシュは、2025年までにすべての新車にクラウドとの常時接続機能が装備されると予想しており、子会社ではBosch Softeware Innovationsがすでにオートモーティブクラウドのプラットフォームを構築し、サービスを提供している。

ブリーフィング終了後、シャイダー氏にネットワーク化の戦略について詳しく聞いてみた。

「アクティブセーフティ、自動運転についてはすでにグローバルで大きなシェアを獲得しており、優位な位置にいますが、テレマティクス分野のスタートはこれからだと思っています。過去10年以上、テレマティクスの研究開発を続けていますが、この分野はこれからいちばん伸ばせる部分だと思います。オートオーティブクラウドについては、先ほど紹介した子会社がクラウドプラットフォームを市場展開しています。テレマティクスに直接関係のあるサービスやアプリケーションは自社で対応できますが、バリューチェーン全体でサービスを拡大していくには、パートナーシップ戦略が欠かせないはずです。」

このように述べ、オートモーティブクラウドの考え方を示してくれた。

以上の発言は、自動車業界のメーカーとサプライヤーのビジネスモデルの変革を示唆するもので興味深い。インフォテインメントやテレマティクス関連のクラウド化が進むと、次は車の機能もクラウド対応していくことも予想される。自動車の電子制御化、電動化が進み移動手段としてのプラットフォーム化が進むと、たとえば、自動運転機能、衝突回避のアルゴリズム強化、自動駐車機能、といったものがクラウド連携しより高度になったり、そもそも機能の追加やアップグレードもクラウド経由でダウンロードできるようになる。

この動きは通信事業やIT業界でそうであったように、サービスプロバイダーが多様化し、ユーザーはメーカーの用意した機能だけでなく、サードパーティやプロバイダーの機能を選んで自分の車に実装する市場が成立する可能性がある。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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