【動画】月面で隕石衝突の巨大閃光を観測

宇宙 科学
2013年9月11日、月面で観測された隕石衝突の巨大閃光
2013年9月11日、月面で観測された隕石衝突の巨大閃光 全 1 枚 拡大写真

スペインの研究者が、2013年9月11日世界標準時20時7分(日本時間9月12日午前5時9分)、月面に推定400キログラムほどの隕石が衝突、巨大な閃光を観測したと発表した。これまで観測された中では最大級だという。

・ウェルバ大学とアンダルシア宇宙物理研究所の研究者は、2014年2月23日付けで英国王立天文学会月報に「A large lunar impact blast on 2013 September 11」を発表した。発表によれば、2013年9月11日に両研究所が実施する月面への小天体衝突の閃光を観測するプログラムで観測中に発生した。大気のない月では、小天体がそのまま月面に衝突し、それに伴う閃光は珍しくない。しかし、今回のように閃光が8秒間も続く大きな衝突は、これまで観測された中でもまれで、最大級だという。閃光の明るさは最大で北極星ほどにもなり、地球上から肉眼で見えた可能性もあるとしている。

月面の閃光は、スペイン・セビリヤに設置された口径36センチと口径28センチのセレストロン製シュミット・カセグレン望遠鏡で観測した。時刻はGPS時刻情報を元に記録され、録画映像をMIDAS(月衝突検出・分析システム)と呼ばれる分析ソフトウェアで処理したところ、衝突に伴う閃光が検出された。

衝突による閃光は、月の表側「雲の海」と呼ばれる盆地で起きた。月面に衝突した隕石の大きさは幅0.6~1.4メートル、400キログラムほどと推定される。アフターグローと呼ばれる衝突後の閃光は8秒以上続き、時速6万1000キロメートル(およそ秒速17キロメートル)にもなる衝突の衝撃はTNT火薬に換算して13トンから18トンほどになる。衝突で直径40メートルのクレーターが形成されると考えられ、今後は月探査機での新しいクレーターの確認が待たれるところだ。

隕石の由来はまだ不明だが、前月の8月に極大を迎えたペルセウス座流星群(太陽の回りを約130年の周期で公転しているスイフト・タットル彗星から軌道上に放出されたちりが地球の大気で隆盛となって見える現象。地球と近い月にも、同時期に小天体の衝突が増える)から来た可能性があるという。全く独立した小惑星とも考えられる。発表では、月面衝突閃光の観測により、地球に同様の小天体が飛来する可能性について新たな洞察が得られたとしている。直径1メートル以上の天体が地球に飛来する数は、これまでの推定の10倍の可能性があると述べている。

《秋山 文野》

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