【BMW i3 発売直前】i3が主張するEVのあるべき姿と日本仕様の特徴とは

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BMW・i3
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2014年4月5日に日本導入となるBMWの次世代モビリティ『i3』。その日本仕様についての考えを、BMWジャパンの技術顧問である山根健氏に話を聞いた。

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全高1550mmを実現したMスポーツ用のサスペンション

「BMWでは、クルマを企画するときに、それぞれの国からカントリー・リクワイアメント(要求仕様)を出しています。たとえば車幅が1800mm以内だと売りやすいとか、高さも同じですね。そうしたリクワイアメントを、それぞれのモデルの主担当が、これはどのレベルなのか?マストなのか?ウォントなのか?と確認します。i3は、メガシティビークルというコンセプトですから、この車高はマストですよと。そこで、高さを合わせるために、どんな技術が必要なのかというのを、本国と日本の間で議論してきました」と山根氏。

その議論の末、日本仕様のi3は、日本の一般的な立体駐車場で使用可能なように、全高を1550mmとした。これは欧州仕様に対して40mmも背が低い。この40mmをどのように稼いだのだろうか?

「最初にやったのが、ルーフのシャークフィンです。アンテナなど、いろいろなものがインテグレートされているシャークフィンを日本専用に低いものにしました。そこで20mmダウン。でも、足りません。どうしよう?ということで、日本からのリクワイアメントとして、柔らかいサスのまま車高を下げられないか?と要望を出しました。ところが専用のサスを開発するだけの開発工数がない。そこで、本国から“今後発売するであろうMスポーツ用のサスペンションがある。これはちょうど20mmダウンだよ。これを使ってくれ”という話がきました」と山根氏。

なんと、日本仕様のサスペンションは、欧州とは異なる、よりスポーティなものに交換されていたのだ。そのため、レンジエクステンダー装備車のリアのタイヤのサイズも日本と欧州では異なることになった。欧州が175/65R19に対して、日本仕様車は175/60R19となっているのだ。この足回りの違いは、欧州仕様と日本仕様の走りに大きな影響を与えるはずだ。

チャデモ方式への対応はマスト

また、充電用の装置も日本専用になっている。

「日本は急速充電にチャデモ方式がきちっと整備されているので、それが絶対に必要だと。これはかなりBMWの社内でも議論がありました」と山根氏。

i3にチャデモ方式の急速充電口が用意されているのは、けっこうな驚きだ。なぜなら、欧州や北米では、日本とは異なるコンボ方式(普通充電と急速充電をひとつの充電口で行う)が主流となっているからだ。ちなみに、日本は、普通充電と急速充電を別の充電口で行う方式のため、充電口がふたつ必要となる。つまり、もともとひとつの充電口しかなかったi3は日本仕様とするために、わざわざ充電口をひとつ追加したのだ。

「急速充電口は、もともと充電口のあったCピラーの下につけました。でも、普通充電口の場所がどうしても見つからない。そこでエンジンフードの中に普通充電口を作りました」と山根氏。

車体の中に新たに電気の通る道を追加しなくてはならない。面倒なだけでなく、コストも重量も増加する。正直、そこまで手間をかけるほど、日本で数がさばけるとBMWは考えたのだろうか?

「それは逆です。日本で絶対に、このクルマを売らないといけないという方が優先されています。正直、一番の主戦場はアメリカ。それも西海岸です。でも、その次に戦う場所は、ヨーロッパではなく日本なんですよ。日本でしっかりとした商品を出さなければ、BMWの立場がないのです」(山根氏)。

つまり、三菱『i-MiEV』や日産『リーフ』などの量産電気自動車がたくさん走っている日本市場にBMWが満を持してi3を投入するのだ。売れなくては面子が立たない。

「我々としては、電気自動車を作るならば、ちゃんとした専用車を作らなければいけないだろう。改造車でお茶を濁していると、電気自動車の将来をつぶすことになるんじゃないか。きちっとしたものを作らないと、すべてのEV市場がシュリンクしてしまう。だからこそ、日本でしっかりと戦う!という考えです。これはプロジェクトのリーダーであるウルリッヒ・クランツが、かなり早い時期からそういう言い方をしていました。電気自動車は内燃機関のクルマとは別モノ。それを内燃機関の考えを引きずってしまうと、電気自動車本来の性能を出し切れないという思いは、企画の段階から決まっていました」と山根氏。

従来のガソリン・エンジン車から、まったく異なる新しいモビリティへ…そんな意欲がi3には込められていたのだ。

《鈴木ケンイチ》

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