4月13日、全日本クロスカントリー選手権(JNCC)の第2戦が、広島県テージャスランチにて開催された。
前夜から降り続けた雨は少しずつ雨脚を強めつつ、レースを過酷なものにした。赤土ベースのテージャスランチは、あまりにスリッピーなコンディションになり、コースは難しいところがカットされるなどの処置が施された。
テージャスランチでJNCCが開催されるようになってから、はじめの第一回以来のマディレースである。現地は、ハードエンデューロのサバイバルIN広島にも使われる日本屈指のハードコースでもある(もちろん、設定はJNCC用にほどほどの難易度)。
スタートで飛び出したのは、トップライダー中で唯一マディ用の特殊なタイヤを装着した小林雅人。水を得たように、オープニングラップ序盤で快走を続ける。しかし、ミスが響いて鈴木健二・渡辺学がこれをパス。3番手には矢野和都、前を行く二人を追いかける展開となった。
中盤には、グイグイ追い上げていていた小林雅裕が矢野をガレ場セクションでパスし、3番手へ。このあたりからは、各ライダー共にマディとはいえ岩盤を含む路面であるため、どんどんタイヤが消耗していき、かつ掘り返された路面はさらに悪化。状況は最悪になっていくなか、1周もままならないライダーが続出した。
残り2周となったところで、渡辺が少しずつ遅れ出す。インタビューでは「タイヤを消耗しすぎてしまって」難所を上れなくなってしまった渡辺。そのままマシンのクーラントをほとんど失ってしまうような、オーバーヒート状態となり悪循環へ陥ってしまう。最終周に、これをしぶとく走り続けた小林がパス。鈴木は快勝、小林は2強に食い込む成績で上昇気流に乗った形だ。
今季より新クラスのAA2では、小坂竜也が新型『YZ250F』で優勝。東北の雄として、まずは1勝をあげた。トップライダーへの登竜門であるAクラスは、地元熊本悠太が勝利、総合でも5位に入るすばらしい活躍。ハードなエンデューロを得意とする熊本は、まずはAAを目指しているとのことだ。